「ケージの入門書としても薦められる一冊」「文化の実体が感じられる著作」──『サウンド&レコーディング・マガジン』に『すべての音に祝福を』『湯浅譲二の音楽』の書評掲載

『サウンド&レコーディング・マガジン』2020年1月号に、白石美雪著『すべての音に祝福を ジョン・ケージ 50の言葉』およびルチアナ・ガリアーノ著/ピーター・バート編/小野光子訳『湯浅譲二の音楽』の書評が掲載されました。評者は横川理彦さん。2冊の枠の両方とも弊社新刊を選んでくださって、まことに光栄&ありがたいかぎりです!

『すべての音に祝福を』については、

ケージの言葉はほぼ年代順に並べられているので、その思考がどのように“起こり”“発展し”“転換”していったのかも理解しやすい。

いろいろなケージの発言をその時代のケージの作品と並べて鑑賞することで、ケージの音楽への理解は深まる。さらにこれらの発言内容を踏まえてさまざまな音楽を見たときに、あらためて音楽演奏や新しく音楽を作ることへの可能性が広がっていくだろう。そこに本書の最大の価値がある。ケージの入門書としても薦められる一冊だ。

『湯浅譲二の音楽』については、

巻末には、訳者による湯浅譲二の年譜と作品目録も用意されており、まさに決定的な“湯浅譲二論”になっている。

本書のテキストを追いながら、例えば「啓かれた時」、「始原への眼差しI」(IRCAMのUPICシステムを使用)や「クロノプラスティック」のような傑作群を聴くと、充実した感動が得られる。文化の実体が感じられる著作だ。

と、いずれも高く評価してくださっています。ありがとうございました。