具体的な人の感覚も身近に感じられて余韻を残す──『サウンド&レコーディング・マガジン』に『ソング&セルフ』の書評掲載

『サウンド&レコーディング・マガジン』2024年5月号にイアン・ボストリッジ著/岡本時子訳『ソング&セルフ──音楽と演奏をめぐって歌手が考えていること』の書評が掲載されました。評者は横川理彦さん。

作品についての深い考察はいずれも興味深く、その[本書中で取り上げられている作品の]いずれもが時代の中で男女のアイデンティティの揺らぎが見られるという論点が鋭い。

[ラヴェル《マダガスカル島民の歌》をめぐる考察は]ポストコロニアル理論のケーススタディ的な内容なのだが、ラヴェルの曲の素晴らしさや、これを歌うときのボストリッジ自身のためらいなど具体的な人の感覚も身近に感じられて余韻を残す。

どの章もテキストが味わい深く、和訳が的確で読みやすい。読み進めながら取り上げられた楽曲を聴いていくのが、とても楽しい良書となっている。

とさまざまな観点からご高評いただきました。