『モノ・マガジン』2024年8月2日号(7月16日発売)にて、近衛音楽研究所監修『近衛秀麿の手形帖──マエストロの秘蔵コレクション』が紹介されました。
「monoの大捜査線」コーナーで、なんとカラー見開き2ページ!(文責はモノ・マガジン編集部) 大きく「音楽が聞こえる手形」とタイトルが付けられ、
これは世にも奇妙な本である。一言で表すなら手形帖なのだが、その内容が、思いっきり偏っているのだ。しかも、スゴイ方に。
と、リードから煽ります。本文は、というと──
掲載は名チェリスト、エマニュエル・フォイアーマンから日付順だ。とりわけ戦前のリストは壮観で、クラシック音楽好きにはめまいを起こさせるだろう。[…]ストコフスキーである。フルトヴェングラーである。オーマンディである。クレンペラーである。クーベリックにメンゲルベルクにアンセルメ。コルトー、フルニエ、ケンプ、ギレリス……失神しそうだ。
日英併記とされたのも価値のある点。掲載されたマエストロたちも秀麿も、クラシック音楽における国境のない検索ワードなのだから。
本書はわけても前者[レコード黄金時代のマエストロたちを追うタイプ]の愛好家により深いためいきをつかせるはずだ。本稿担当者など、レコードやCDを通じてしか知らなかった「彼ら」が「本当に存在したのだ」と、実に奇妙なことだが、そんな気分にさせられたくらいだ。またオリジナルの手形帖のテイストまで再現を尽くした「一冊の本」としての出来にも目を見張る。
などなど、昂奮が筆致からあふれる書評! 『モノ・マガジン』編集部にもこんなに熱いクラシック愛好家が棲息していたことがわかり、うれしく思いました。