おかげさまで今日から創業10年目に入りました!

本日、4月5日をもってアルテスは創業9周年! 10期目をスタートします。これからの1年、新しい試みも含めて、次なる10年を見すえた活動をしてみたいなと思っています。

まず10期目の新刊は、ゴールデンウィークに全国4会場で開催される「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭のオフィシャル・ブックとなる『ナチュール 自然と音楽』、そして女性装の経済学者として耳目を集める東大教授の安冨歩さんによる『マイケル・ジャクソンの思想』の2点。今月刊行するこの2冊から、帯に折田烈さんデザインの「10th Anniversaryアイコン」が登場します。

また、詳細は決まり次第お知らせしていきますが、全国の書店、楽器店にご協力いただき、「アルテス10年目フェア」を計画しています。今年1年間、全国各地に出没してまいります。

これまでも編集者の趣味嗜好全開の出版活動を展開してきたアルテスですが、じつは私、木村は30年来の古楽フリーク。満を持しての「古楽叢書」を今年スタートさせます(シリーズ名はまだ考え中)。

そのほか、『アルテス』電子版で緒を付けた電子出版の道にもうちょっと深入りしてみようかとか、アルテスを応援してくださるみなさんに還元できるようなサービスを開始したいなとか、発想・着想・妄想はひろがるばかり。ぜひぜひ、これから始まる「アルテスの10年目」にご期待ください!  [木村]

先日自宅近くのCDショップで、敬愛するロック・バンド、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文さんが編集・発行する『THE FUTURE TIMES』第8号を手に入れ、すべての記事を読みました。特集「五年後の現在地」。5年前に地震と津波と原発事故に襲われた街や村や港に足を運び、人と会い、話をする。そうやって見て聞いて考えたことをできるだけ精確に言葉にする。そのシンプルともいえる作業を、とても誠実に丁寧に形にしようとしていることに、いたく感銘を受けました。

テレビや新聞、雑誌などのジャーナリズムでは、現実を覆い隠してしまう大文字の言葉や、他人から借りてきた言葉が多く見られますが、それらに安易に寄りかかるまいとする『THE FUTURE TIMES』の姿勢は、判型と形態こそ違いますが、ぼくには本というものに近いように思えます。一人が書き、一人が作り、一人に届ける、本の本質を大事にしながら、これからも仕事をしていきたいと改めて思ったのでした。

そんな書籍を作り、届け続けて早くも丸9年、昨年末には書籍の刊行点数が100を超えました。よくもまあ⋯⋯と感慨にふけっている暇はまったくなく、皆さんに背中を押されケツをひっぱたかれながら仕事に追われる毎日です。株式会社としてはまだまだ頼りなく、財務基盤を強化していくことも大事な目標のひとつですので、いっそうのご指導鞭撻叱咤激励をなにとぞよろしくお願い申しあげます。

なお、創業メンバーの一人である船山が、今月から本格的に復帰します。編集・制作から営業・プロモーションまでフル回転していきますので、どうぞお引き立てください。  [鈴木]

【第10期=2016年度前半の刊行予定(書名は仮題を含みます)】
エマニュエル・レベル(西久美子訳)『ナチュール 自然と音楽』4月
安冨歩『マイケル・ジャクソンの思想』4月
新実徳英『A.E.──それでも作曲家は希望をうたう』
辻康介+鈴木広志+根本卓也(編・作曲・演奏)『おとなのための俊太郎──谷川俊太郎詩集』(CDブック)
内田樹『困難な結婚』
大石始『ニッポンのマツリズム 祭り・盆踊りと出会う旅』
相倉久人『語り下し 昭和歌謡史』
渡邊温子『古楽でめぐるヨーロッパの古都』
西原稔『新版 クラシックでわかる世界史』
アンナー・ビルスマ+渡邊順生(加藤拓未 構成)『バッハ・古楽・無伴奏』(CDブック)
イアン・ボストリッジ(岡本順治+岡本時子訳)『シューベルト 冬の旅』
彌勒忠史『うたうギリシャ神話』
仲條正義『はじめてのデザイン』
ジェフ&ジュリー・クラブトゥリー『Living with a Creative Mind』
ウェルナー・ヒンク回想録