あの名コンビふたたび!
ヒップホップの聴き方がわかる画期的な入門書として
絶賛されたベストセラー、待望の第2弾登場!
「ヒップホップは音楽ではない」「ヒップホップは『少年ジャンプ』である」といった
キラーフレーズを満載した前作『文化系のためのヒップホップ入門』は、
ライムスター宇多丸さんや山下達郎さんにも高く評価され、
刊行から7年が経った現在も売れ続けているアルテス最大のロングセラーです。
その続編『2』は、ケンドリック・ラマーやチャンス・ザ・ラッパーが登場し、
ニッキー・ミナージュら女性ラッパーが活躍、
ファレル・ウィリアムズ〈ハッピー〉が大ヒットした、
2012年から14年まで3年間のヒップホップ・シーンの変遷を追いかけます。
さらにゲストに『Jazz The New Chapter』の編著者・柳樂光隆さんをお迎えし、
「ループ感覚」「Jディラ」「YouTube」などをキーワードに
ジャズとヒップホップの影響関係を探る鼎談を収録。
続けて2015年以降のシーンを取り上げる『3』も
着々と準備中ですので、どうぞご期待ください!
プロフィール
長谷川町蔵(はせがわ・まちぞう)
文筆家。1990年代末にライター活動を開始し、映画や音楽についてのコラムや小説執筆まで、多ジャンルにわたる執筆活動を行っている。著書に『インナー・シティ・ブルース』(スペースシャワーネットワーク、2019)、『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社)、『あたしたちの未来はきっと』(タバブックス、2017)、共著に『ヤング・アダルトUSA』(DU BOOKS、2015)ほか。1968年、東京都生まれ。
http://machizo3000.blogspot.com/
http://twitter.com/machizo3000大和田俊之(おおわだ・としゆき)
専門はアメリカ文学、ポピュラー音楽研究。現在、慶應義塾大学法学部教授。著書『アメリカ音楽史——ミンストレル・ショウ、ブルースからヒップホップまで』(講談社)で2011年、第33回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞。共著に『文化系のためのヒップホップ入門』(2011)、『同2』(2018)、『同3』(2019、以上アルテスパブリッシング)、『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか――日本ポピュラー音楽の洋楽受容史』(花伝社、2019)、『村上春樹の100曲』(立東舎、2018)、『ラップは何を映しているのか』(毎日新聞出版、2017)がある。1970年、神奈川県生まれ。
http://d.hatena.ne.jp/adawho/
http://twitter.com/adawho
CONTENTS
Introduction いま一度、How To ヒップホップ入門
第1部 ゼロ年代のヒップホップ:『文化系のためのヒップホップ入門』復習編
「南部化」するヒップホップ──エイト・ビートからクラーベへ
「内省化」するラップ──カニエ・ウェストの場合
徒弟制の崩壊から生まれた新たな才能
第2部 2012年のヒップホップ
ケンドリック・ラマーの圧倒的なスキルとフランク・オーシャンのカムアウト
ミーク・ミル、ビッグ・クリット、キラー・マイク
“最高のリリシスト”とアルバム未発表の大型新人
4つ打ちヒップホップを巡る二極分化
TPPとしてのアジア系ヒップホップ──PSY登場の背景
お笑い芸人だと思えばわかりやすい
第3部 ジャズ×ヒップホップ[1]ゲスト:柳樂光隆
一番ヒップホップに馴染みがある世代
レコード・バイヤーによる歴史の書き換え──『Jazz The New Chapter』の意図
ジャズとヒップホップが遠かった時代
ロンドンに近いのは渋谷なんですよ
ジャイルズ・ピーターソンのイコライザー
90年代の足踏み
ジャズに浸透するループ感覚
J・ディラは本当に神なのか?
つんのめるグルーヴ
ヨーロッパのディラ・フォロワー
ドラムの音色のサンプラー化
ループしないベース
第4部 2013年のヒップホップ
2013年は4つ打ちの年
白人アーティストが変えたトレンド
日米のヒット曲をコード解析してみる
ポップスにも波及するループ感
ベテランの2013年を聴く①ジェイZ
ベテランの2013年を聴く②エミネム
ベテランの2013年を聴く③カニエ・ウェスト
2013年最高のヒップホップPV
2013年ヒップホップ・シーン最大の事件
「レコード契約なんて要らない」──チャンス・ザ・ラッパー
恐れを知らない若者たち──オッド・フューチャー一派
「地域性」より「世代間闘争」
第5部 ジャズ×ヒップホップ[2]ゲスト:柳樂光隆
YouTubeがジャズ・ミュージシャンの意識を変えた
黒人音楽の再編成
ジャズはヒップホップの武器になるか?
M-Base人脈から育った若手たち
ヴァーヴイズムとアメリカーナのブルーノート
アメリカーナとしてのジャズ
バップ以前に戻りつつあるジャズ
第6部 2014年のヒップホップ
ヒップホップ版〈幸せなら手をたたこう〉
プロデューサー、DJマスタードがブレイク──YG、ティナーシェ
ギャングスタ・ノリをトッピング──スクールボーイQ
黒人射殺事件へのアンサー
ドキュメンタリーとしてのヒップホップ
ズールー・ネイションの現在
リル・ウェインのキャッシュマネー離脱
「ずっとニッキー・ミナージュばかり聴いてた」
イギー・アゼリアとアジーリア・バンクス
チルウェイヴに救われた女と波に乗る男
さりげないクール・ジャパン
日本人アーティストの全米進出成功の度合いとは?
アップルのビーツ買収と『デトックス』
お約束のボノ・ディス
2015年への期待
Postscript あとがきに代えてお送りする深夜のチャット再び
人名索引
[CDガイド]
①2012年のヒップホップ
②2013年のヒップホップ
③ジャズ×ヒップホップ
④2014年のヒップホップ