『みすず』読書アンケート特集に『親愛なるレニー』と『古楽の終焉』!

毎年たのしみにしている月刊『みすず』1・2月合併号(みすず書房)の読書アンケート特集。
今年は『親愛なるレニー レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』をノンフィクション作家の堀川恵子さんと、ドイツ現代史がご専門の小野寺拓也さんが、『古楽の終焉』をフランス文学者の野崎歓さんが、それぞれ挙げてくださいました。どなたも大変嬉しい評を書いてくださっているので、一部引用します。

堀川さん:

バーンスタインの生涯そして音楽と人間を心から愛する人々の姿をみごとに描いた。着眼点、取材の深さ、そして卓越した専門性。日本では斜陽のノンフィクション界だが、まだまだやりようはあると勇気をもらった。

小野寺さん:

……私の中で途方もなく熱い何かが滾り、ぺーじをめくる手を止められなくなった。手紙をもとにミクロ・マクロな歴史を紡ぎ出すという、エゴ/ドキュメント研究の醍醐味ももちろん味わえる。

野崎さん:

ボンズの本[『ベートーヴェン症候群 音楽を自伝として聴く』春秋社刊のこと]と合わせて読むと大変面白い。ロマン派/モダニズムの二項対立を超える発想がいきいきとあふれ出す。

今年は青木深さんの『進駐軍を笑わせろ!』(平凡社)を多くの方が選んでいましたが、『親愛なるレニー』の著者・吉原真里さんが共著で出された『私たちが声を上げるとき アメリカを変えた10の問い』(集英社新書)も、国際政治学の板橋拓己さんが「何より著者五人の連帯が素晴らしく、胸を打つ」と書いてくださっています。