みすず書房『読書アンケート2023』にアルテスの書籍3点掲載

みすず書房のPR誌『みすず』休刊にともない、今年から書籍化された『読書アンケート』。同社と縁の深い139名の執筆者が、2023年に読んだ本のなかから印象深かったものをあげておられますが、弊社刊行書籍のなかから3点を以下のかたがたが選んでくださっていました。

柿沼敏江さん(音楽学)

堀朋平『わが友、シューベルト』アルテスパブリッシング、二〇二三年
[略]大作曲家を「わが友」と親しみを込めて呼ぶことのできる境地にまで到達した著者は、「宇宙」「協奏」「神」「愛」などの言葉をもとにこの作曲家を解き明かしていくが、そこには汲めども尽きぬシューベルト愛が滲み出ている。

斎藤真理子さん(韓国語翻訳者)

クレール・オペール「シューベルトの手当て」(鳥取絹子訳、アルテスパブリッシング)には静かな驚きが溢れていた。自閉症の若者、認知症の高齢者、終末期の患者たちにチェロの音色がなしえたことは何か。音楽家である著者が「看護をする」方向へ衝き動かされたのは、「自然で本能的なもの、野生に動かされた」からという一文が残った。

飯田隆(哲学)

板垣千佳子編『ラドゥ・ルプーは語らない。──沈黙のピアニストをたどる20の素描』アルテスパブリッシング、二〇二一年
[略]この本に出会ったのはほとんど偶然なのだが、細かなところまで行き届いて作られた本であることに感心した。