傷ついた魂を癒やす、チェロの調べ──フランス人チェリストによる奇跡の物語、待望の邦訳出版。今秋、著者来日!

photo: © Astrid di Crollalanza

アルテスの11月の新刊は、フランス人チェリストによる癒しと感動の物語。クレール・オペール著(鳥取絹子訳)『シューベルトの手当て』です。

クレール・オペール著/鳥取絹子訳『シューベルトの手当て』|アルテスパブリッシング

原タイトルはLe pansement Schubert(Éditions Denöel, 2020)。le pansementとは一般に「包帯」または「包帯をまくこと」の意味。老人ホームや病院の緩和ケア病棟で治療や介助にあたる医療スタッフのかたわらで、著者が演奏するシューベルトやバッハ、ヨハン・シュトラウスなどの音楽が、自閉症患者の心をやわらげ、認知症の高齢者に人生の輝きを取りもどさせ、死を待つ患者の心を静める様子を見たスタッフたちは、いつしか彼女の演奏を「シューベルトの手当て(le pansement Schubert)」と呼びはじめました。本書は20年にわたって、癒しをもとめる人たちに寄り添ってチェロを奏でつづけた著者が、かずかずの奇跡のエピソードと、みずからの成長の過程を振り返り、静謐な筆致でつづった感動の物語です。

本書は2020年に出版されるとフランス国内でたいへんな話題をよび、2021年の「音楽家の本」賞(Prix Littéraire des Musiciens)を受賞。その後、英語、ドイツ語、イタリア語、中国語に翻訳出版されました。

5番目の翻訳となる日本での出版に合わせ、この秋、著者クレール・オペール氏が来日。全国各地で講演や演奏をおこないます(以下、随時情報を更新しています)。

本書の出版にかんする情報や、イベントの詳細などは決まりしだい、当サイトやSNSでお知らせしますので、どうぞお楽しみに!