『レコード芸術』に『古楽の終焉』の書評掲載

『レコード芸術』2022年12月号にブルース・ヘインズ著/大竹尚之訳『古楽の終焉──HIP〈歴史的知識にもとづく演奏〉とはなにか』の書評が掲載されました。評者は音楽評論家の谷戸基岩さん。

業界に忖度せず、単純化せずありのままを語っている点が素晴らしい。

2020年、新型コロナ・パンデミックによる「地の時代」の強制終了後に「風の時代」が幕を開けた。この時期に2007年出版の本書が邦訳・出版された意義はとても大きい。「古楽の終焉」というタイトルではあるけれども、読みながら持続可能なクラシック音楽業界の「在り方」全体について考えるのにとても有益な本ではないか。単純化され、コンセンサスの取れる一般教養と化したクラシック音楽ではない、本質的で創造的なクラシック音楽観、演奏実践を考える方々にとっては必携の書といえる。そしてここに記された問題提起に真摯に向き合うべきだろう。

このように、「古楽」という一ジャンルにとどまらない影響力をもつ書として、同書をたいへん高く評価してくださいました。

なお、谷戸さんの評文中にある「地の時代」「風の時代」とは西洋占星術の用語だということで、谷戸さんがネットで連載されているこちらの記事に紹介されています:

クラシック音楽の問題点(19)「風の時代」のクラシック音楽|NPJ通信
http://www.news-pj.net/news/143686

なお、この書評の横には『ヴィンテージ・ピアニストの魅力』と『藤倉大のボンクリ・アカデミー』の短評も。ありがとうございます!