『サウンド&レコーディング・マガジン』10月号に、アルテスの新刊2冊の書評が同時掲載されました。評者は横川理彦さん。
まずはS.ヘンツェ=デーリング+S.デーリング著/長木誠司訳『オペラがわかる101の質問』。
オペラという文化的な現象について、全方位から書かれた入門書で、オペラのコアなファンや経営サイドの人たちが読んだとしても、勉強になるだろう。文体が簡潔かつクールなので(辛辣とも言える)読んでいてとても楽しめる。
そして筒井はる香著『フォルテピアノ──19世紀ウィーンの製作家と音楽家たち』。
[…]ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの時代のピアノがどのように技術革新されていったかが紹介される。また、大司教からフレデリック・ショパン、クララ・シューマンまで、[ナネッテ・]シュトライヒャーの多様な顧客たちのそれぞれ異なる注文とそれに多様な顧客たちのそれぞれ異なる注文とそれに答えてピアノがピアノが制作された様子が述べられている。
本書のピークは、第6章の「楽器の特徴からベートーヴェンのピアノ・ソナタを読む」だ。[略]それぞれの時期のピアノを特定していくことで、[…]〈きれいに作曲様式とピアノの変遷の時期が重なる〉のである。
いずれも共感をもってご紹介くださいました。ありがとうございます。