配信芸術論

定価:本体2800円[税別]送料:国内無料

  • 四六判・並製 | 336頁
  • 発売日 : 2023年10月25日
  • ISBN 978-4-86559-282-5 C1073
  • ジャンル : 音楽/メディア/社会
  • ブックデザイン:大田高充

ライブとは何か。
ネットで音楽を聴くとき、われわれは何を体験しているのか──。
メタバース時代の音楽をラディカルに問う!

2020年9月19日深夜、
無観客、アーカイヴなしのオンライン配信で開催され、
コロナ下最大の音楽的事件となった
「三輪眞弘祭」(サントリー音楽賞、佐治敬三賞をダブル受賞)を起点に、
哲学、バイオアート、科学技術史、メディア論、音楽学の専門家が結集し、
これからの音楽実践のありかたをラディカルに問いなおし、定義する。
メタバース時代の音楽の可能性はここにある!

◎著者[五十音順]
伊東信宏(いとう・のぶひろ)──音楽学。大阪大学中之島芸術センター長
岩崎秀雄(いわさき・ひでお)──生命科学・生命美学研究者、美術作家。早稲田大学教授、metaPhorest主宰
佐近田展康(さこんだ・のぶやす)──メディアアート、メディア論。名古屋学芸大学メディア造形学部教授
佐藤淳二(さとう・じゅんじ)──西洋思想史。京都大学人文科学研究所教授
瀬戸口明久(せとぐちあきひさ)──科学史。京都大学人文科学研究所准教授
前田真二郎(まえだ・しんじろう)──映像作家。情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授
松井茂(まつい・しげる)──詩人、映像メディア学。情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授
山﨑与次兵衛(やまざき・よじべえ)──ソフトウェア技術者。(株)NTTデータセキスイシステムズ勤務

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https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784865592825

プロフィール

  • 三輪眞弘(みわ・まさひろ)
    1958年東京生まれ。ベルリン芸術大学、ロベルト・シューマン音楽大学で作曲を学ぶ。1989年入野賞、2004年芥川作曲賞、2007年プリ・アルスエレクトロニカでグランプリ(ゴールデン・ニカ)、2010年芸術選奨文部科学大臣賞、モノローグ・オペラ《新しい時代》の再演(2017)および「三輪眞弘祭 ─清められた夜─」無観客ライブ公演(2020)で2020年佐治敬三賞、サントリー音楽賞などを受賞。『三輪眞弘音楽藝術 全思考1998-2010』(アルテスパブリッシング、2010)をはじめ、CD『村松ギヤ(春の祭典)』(フォンテック、2012)や楽譜出版など多数。「フォルマント兄弟」の兄。情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授。

  • 岡田暁生(おかだ・あけお)
    1960年京都生まれ。京都大学人文科学研究所教授。専門は近代西洋音楽史。著書に『リヒャルト・シュトラウス 人と作品』(音楽之友社、2014)、『音楽の危機』(中公新書、2020、小林秀雄賞受賞)、『音楽の聴き方』(中公新書、2009、吉田秀和賞受賞)、『西洋音楽史』(中公新書、2005)、『オペラの運命』(中公新書、2001、サントリー学芸賞受賞)、共著に『すごいジャズには理由がある』(アルテスパブリッシング、2014)など。

CONTENTS

はじめに

岡田暁生|音楽聴のシンギュラリティ2020?
伊東信宏|すべてはここからはじまった 19 September 2020 (Sat), 22:00 open, 23:00 start, 26:00 end ── 一聴取者によるイベント・レポート

I ライブと「そこにいない誰( 何)か」

山﨑与次兵衛|二分心崩壊以後/シンギュラリティ以前の展望からみたライブの可能性

 編集会議バックヤードより

岩崎秀雄|音楽はどこまで「生きている」のか──「音楽≒生命」メタファーから「音楽≒ウイルス」メタファーへ

 編者独白

II 配信芸術の考古学

 編者口上

瀬戸口明久|機械化時代における音楽・科学・人間──兼常清佐のピアノの実験

 編者口上

松井 茂|中継芸術の系譜──テレビジョンをめぐる配信芸術前史

III 「立ち会うこと」と配信芸術──映像作家 前田真二郎氏を囲んで

IV 〈いま-ここ〉の存在論と亡霊

 編者口上

佐近田展康|「亡霊機械」と〈いま-ここ〉の生成

 編集会議バックヤードより
 編者独白

佐藤淳二|〈仮死〉と〈亡霊〉の配信──三つの神学の彼方へ

 編者独白

おわりに

三輪眞弘|配信芸術、あるいは「録楽」の未来
付録|サラマンカ宣言──ぎふ未来音楽展2020 三輪眞弘祭 ─清められた夜─
   MUSICA CRAS GIFU 2020 Masahiro Miwa Festival ― Purified Night ―