ハーバード大学は「音楽」で人を育てる
21世紀の教養を創るアメリカのリベラル・アーツ教育

定価:本体2000円[税別]

  • B6判変型・並製 | 304頁
  • 発売日 : 2015年8月20日
  • ISBN 978-4-86559-125-5 C1073
  • ジャンル : 音楽/教育
  • ブックデザイン:奥野正次郎(pororoca)

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イェール、スタンフォード、MIT……
「音楽の知」を学び、奏でる
次世代のリーダーたち!

総合大学に音楽学科や音楽学校が設置され、年間1000人以上の学生が音楽を履修するアメリカ。
現代社会に通用する音楽家を育てるだけでなく、他分野の学生も音楽を積極的に学び、マルチな教養を身につける。
アメリカのトップ大学が取り組むリベラル・アーツ教育の最前線をレポート!

いま、「大学で音楽を学ぶ」とは、「音楽とともに生きる」とはいかなることなのか?──
現代社会に音楽を活かすヒント満載の書!

音大の先生、学生、受験生、ご家族も必読!
あなたにとっての「音楽」の意味が見えてくる。

プロフィール

CONTENTS

はじめに

第1章 音楽〈も〉学ぶ──教養としての音楽教育
●音楽はいつから大学の中にあったのか?
●ハーバード、スタンフォード、ニューヨーク大学──各大学で一〇〇〇人以上が音楽を履修
 音楽で「多様な価値観を理解する力」を育む──ハーバード大学
 音楽で「人間の思想力」を学ぶ──コロンビア大学では全員必修?
 音楽、美術、文学を人文学として学ぶ意図は?
 音楽で「歴史をとらえる力」を学ぶ──ニューヨーク大学
 音楽で「創造的な思考力」を高める──マサチューセッツ工科大学
 実際の授業は?
 音楽で「真理に迫る質問力」を高める──スタンフォード大学
 五大学の基礎教養から見えること
 大学入学時にも重視される芸術活動
 演奏実技も教養──パフォーマンスも単位に

第2章 音楽〈を〉学ぶ──大学でも専門家が育つ
●音楽学科はどこに属しているのか?
 全米音楽学校協会が設定する学位基準とは
●音楽を中心に幅広く学びたい──音楽に比重をおいた人文学の学位
 地域文化研究の一環として──カリフォルニア大学バークレー校
 グローバル社会を見すえて──スタンフォード大学
●音楽の専門家をめざして──音楽専攻の学位
 音楽専攻生はどんな一日を送っている?
 カリキュラムの三分の一は教養科目
 大学で教えるアーティスト、大学から輩出されるアーティスト
●なぜ大学で音楽を?──カリキュラムの組み方・学習期間も自在に
 まず教養科目を幅広く学び、多様な友人と知り合う
 途中で専攻を変える、取得学位を変える
 二つの専攻、二つの学位を取る
●大学と音楽院の提携プログラムも
 進む共同学位──ハーバード大学とニュー・イングランド音楽院、プリンストン大学と英国王立音楽大学
 単位互換から協同学位へ──コロンビア大学とジュリアード音楽院
●音楽院でも高まるリベラル・アーツ教育の需要

第3章 音楽を〈広げる〉──社会のなかでの大学院の新しい使命
●大学から社会へ──どのように実社会へつなげていくのか
 まずは大学の中で社会勉強!
 インターンや助成プログラムをつうじて社会体験を
 地域コミュニティーとパートナーシップを築くプログラム
 プロボノをつうじてNPO設立──自ら創造・発信するために
●実社会は音楽・芸術をどう見ているのか?──大学は巨大なコミュニティー拠点
 ともに音楽文化を発信するパートナーとして
 創造性ある社会人を育てる場として
●社会から大学へ──現場をより良くするためにふたたび研究を
 NASMによる修士号・博士号の規定は?──大学院充実化は戦後から
 実技専攻──演奏・作曲・指揮
 音楽教育専攻
 音楽学

第4章 音楽はいつから〈知〉の対象になったのか──音楽の教養教育の歴史
●リベラル・アーツの未分化期──音楽はさまざまな役割をもっていた!
 音楽の社会的側面──コミュニケーション・ツールとして
 音楽の数学的側面──音程のしくみから世界の真理を解く
 音楽の感情的側面──リズム・旋律をもちいて精神修養を
●リベラル・アーツの広まり──音楽は数学科目に
 しだいに収斂していくリベラル・アーツの科目──数学として
●リベラル・アーツの学位化──中世の大学で音楽=数学が教養課程に
 中世大学での音楽教育
 英国で世界初の音楽学士号授与!
 新設ハーバードでは中世教育のまま
●リベラル・アーツの近代化──芸術・人文学としての音楽へ
 ヨーロッパでは「神」から「人」中心の世界観へ
 ヨーロッパでは音楽科目も近代化──〝音楽史?の発見
 ドイツへ留学したアメリカ人学生が受けた衝撃
●リベラル・アーツの拡大化──アメリカが問い直した基礎教養
 社会が近代化し、音楽が大衆化をとげた二〇〇年間
 ハーバードで大胆なカリキュラム改革! 音楽学科の誕生も
 音楽学科設立の立役者、ペイン教授がドイツから受け継いだもの

第5章 音楽〈で〉学ぶ──21世紀、音楽の知をもっと生かそう
●グローバル時代に求められる人間像は?──ジュニア教育から変化の波が
 教養教育はジュニア世代から変化! 「知識」から「知識を生かす力」へ
 音楽と他科目をつなげる──新しい学際的教育プログラム開発
●大学のリベラル・アーツは変わるのか?──「科目」の境界線が消え、「方法論」で再編
●未来世代はどのような音楽環境を迎えるのか?──三つの変化と挑戦
 音楽の集合知化──「知の蓄積」から「知の活用」へ
 音楽研究の学際化──「音楽研究」と「音楽による世界探究」へ
 音楽の社会発信化──「継承」から「創造的発信」へ

おわりに──音楽の豊かなポテンシャルをみいだして

引用・参考文献

コラム
 ハーバード大学生の一日
 スタンフォード大の入試──何を提出するの?
 大学講師も助成プログラムで、コミュニティー・アーティストを経験
 実社会で発揮されるリーダーシップ──音楽と街づくり
 一般聴衆とのつながり──学際的に音楽を学ぶ

インタヴュー
 ドイツ語教師からピアニストへ──ジョン・ナカマツ(ピアニスト)
 責任ある市民に、そして音楽家に──ミリアム・フリード(ヴァイオリン奏者、ニュー・イングランド音楽院教授、元インディアナ大学教授)
 違う視点から音楽を見るリベラル・アーツの学び──諏訪内晶子(ヴァイオリニスト)