7月の刊行以来、各方面から大絶賛をいただいている
川崎弘二『武満徹の電子音楽』に関連したイベントが
今度は10月9日、14日、20日の3回、いずれも京都の各所にて開催されます。
貴重な音源の再生や、音源再生技術、映画を中心としたトークなど
それぞれに趣旨のことなったイベントになっておりますので、
『武満徹の電子音楽』をより深くお楽しみいたくためにも、
お時間がゆるすようでしたら、ぜひすべてに足を運んでみてください!
「武満徹の電子音楽」コンサート
2018年10月9日(火) 18:30開場/19:00開演
料金:当日1,500円
@同志社大学寒梅館クローバーホール
http://d-live.info/program/movie/index.php?c=program_view&pk=1536552585
予約:kojiks0317[at]gmail.com(川崎)
作曲家・武満徹は、ミュジック・コンクレートと呼ばれる電子音楽の、日本におけるパイオニアの一人でした。
このコンサートでは、武満徹が1955年に発表した「ルリエフ・スタティク」から1960年の「水の曲」に至る
主要なミュジック・コンクレートを、コンサート形式で鑑賞します。
各作品の上演は、アクースモニウムというスピーカー・オーケストラの生演奏により、
作曲家/演奏家である檜垣智也が行います。
戦後、電子テクノロジーによる新しい音楽の地平を切り拓こうとした武満徹の目指したものは何だったのか?
川崎弘二と檜垣智也によるアフタートークも含め、その成果を俯瞰的に体験できるコンサートにぜひご参加ください。
「武満徹の電子音楽」のデジタル修復
2018年10月14日(日) 18:00開場/18:30開演
料金:予約2,000円 当日2,500円(*学生証提示で予約・当日ともに1,500円)
@外
http://soto-kyoto.jp/event/181014/
武満徹が初めてミュジック・コンクレートを作曲したのは、いまから63年前の1955年のことです。
これまでCDによって公開されていた武満徹の初期の電子音楽は、ノイズも多く、ダイナミックレンジも狭いものでした。
それは当時の機材の未熟さによるものと考えられていましたが、このたび、最新のデジタル技術を用い、
1957年に発売されたモノラルのアナログレコードをもとにして、
音楽家・宇都宮泰が武満徹のミュジック・コンクレートのデジタル修復に挑戦しました。
その結果、武満徹の初期ミュジック・コンクレートは、60年前の作品とは思えないほどの鮮烈さを持ち、
いままで確認することが困難であった音の成分も多数含まれていることも明らかとなりました。
本イベントでは宇都宮泰によるデジタル修復の実演と、修復された作品のリスニングを行います。
映画のサウンドトラックにおける「武満徹の電子音楽」
2018年10月20日(土) 18:30開場/19:00開演
料金:当日1,500円
@MEDIA SHOP
予約:kojiks0317[at]gmail.com(川崎)
武満徹は生涯に120本ほどの映画のための音楽を手がけており、
晩年に至るまで電子テクノロジーを援用した作曲を多くの作品を通じて試み続けていました。
「武満徹の電子音楽」(アルテスパブリッシング)においても、急速に発展する電子テクノロジーを援用して、
武満徹が「狂った果実」(1956)、「砂の女」(1964)、「怪談」(1965)、「心中天網島」(1969)、「愛の亡霊」(1978)、「乱」(1985)などの
映画のための音楽を、どのようにして作曲していたのかを明らかにしました。
本イベントでは、サントリー学芸賞を受賞した「映画音響論 溝口健二映画を聴く」(みすず書房)などの著作で知られる長門洋平、
近年、七里圭監督による実験的な映画のためのコラボレーションに取り組んでいる作曲家/演奏家の檜垣智也、
そして、書籍「武満徹の電子音楽」の著者・川崎弘二を迎え、
映像メディアを舞台とした武満徹の音楽についてのディスカッションを行います。