今日発行された週刊「読書人」2/4号に、東京藝術大学教授の毛利嘉孝さんによる細川周平編著『音と耳から考える』の書評が掲載されています。
「音と耳から世界を捉え直す、野心に満ちた論集──サウンド・スタディーズの成果、多様な「音」が鳴り響く」と題されたこの書評、冒頭「圧倒的である」に始まって、「大」を3つも4つも付けたくなる絶賛の内容で、読みながら小躍りしてしまいました。
「音と耳」から世界を捉え直すことで、これほどまで新しいものの見方ができるのか。どの論考も驚くべき発見に溢れている。しかも、すごいのは、執筆者の専門も扱っている題材も全く異なっているのに、どこか一本の筋がピンと通っていることだ。
「聴覚」を中心に据えることで、私たちが自明のものとしている西洋近代の世界とは異なる歴史や身体を手にすることができるのではないか。本書はそうした野心に満ちている。
「視覚」を中心に形成されてきた西洋近代的世界観とは異なる世界を描くことはこの本の基調となる重要な企てだが、それにとどまらない。
と、このあといくつかの論考を例に引きながら、射程が広い本書の意義をたっぷり深く読み解いてくださっています。毛利さん、ありがとうございました!