神楽を、日本のルーツ・ミュージックという観点から見直していくところかが本書の新しさ。
『サウンド&レコーディング・マガジン』2月号Book Reviewのコーナーで、おなじみ横川理彦さんが『新・神楽と出会う本』を取り上げてくださいました。
音楽としての神楽、日本の音楽のルーツとしての神楽、というミュージシャンである著者ならではの視点を最初にズバリ「新しい」と評価。その著者がピックアップしてリンクを掲載した動画もご覧になったようで、
例えば黒森神社の御祝、岩国行波の神舞、隠岐島の島前神楽など、それらの音楽と舞を一度見れば、その曲の持つグルーブの強さに感心せずにはいられないだろう。
とのこと。そのグルーブがまた各地でじつに多様なのが神楽の面白さですが、
〜リズムにはバリエーションが多く、3拍子やシャッフル、リズムのタメなどは、J・ディラ以降のヒップホップを通過した耳には強烈なダンス/ミュージックとして聴こえる。
という、まさに現代に通じる聴きどころもあり、未体験の方なら、いくつか動画を見るだけでも「いまの日本にこんな芸能があったのか!?」と驚くこと請け合いです。
神楽の今日的な魅力や意義と、それを伝える著者の意図をきっちり読み取っていただけて、とても嬉しい書評でした。[S]