産経新聞に『「聴くこと」の革命』の書評掲載

本日(2/21)付けの産経新聞にM.E.ボンズ著/近藤譲・井上登喜子訳『「聴くこと」の革命』の書評が掲載されました。評者は西原稔さん。

産経ニュース|【書評】桐朋学園大教授・西原稔が読む『「聴くこと」の革命 ベートーヴェン時代の耳は「交響曲」をどう聴いたか』(マーク・エヴァン・ボンズ著、近藤譲、井上登喜子訳)

 その内容は音楽論としてだけではなく、美学史および社会史としても第一級である。

 市民社会の成熟と国家主義の高揚がベートーベンの作品受容を促していったとする著者の論述は実に説得力がある。終章ではハンスリックの「音楽美論」についての詳細な解釈を通して、芸術が社会や政治から超越した絶対的な高みに君臨するという、今日に至る思想の系譜を明らかにしている。
 文献資料を駆使した本書を読み進めることは容易ではないかもしれないが、濃密なその内容は実に啓発的である。高度な内容のこの書物を正確かつ分かりやすく訳出した近藤譲、井上登喜子両氏の仕事も高く評価したい。

このように高く評価してくださいました。ありがとうございます。

[木村]