昨年末12/28付の公明新聞にM.E.ボンズ著/近藤譲・井上登喜子訳『「聴くこと」の革命』の書評が掲載されました。評者は音楽学者で尚美学園大学教授の田村和紀夫さん。
本書の特徴であり、新しさは、時代の子の大きなパラダイム転換[引用者注:18世紀末から19世紀にかけて、声楽に対して器楽が支配的になったことをさす]に「聴取」という視点から切り込んだことにある。[略]受動的な聞き方から、音楽に「思想」(現代は「思想としての音楽」)を積極的に聴き出そうとする聴取行為への、コペルニクス的ともいえる転換が描き出されるのである。
音楽は歴史を映し出す鏡であるという事実を、再確認させてくれるだけではない。現代社会においても、クラシックが他の音楽とは異なる聴き方を迫るとしたら、その起源をめぐる議論ともいえる。この手の音楽書にありがちな生硬な日本語訳に悩まされることもない。知的興味が尽きない「読んで面白い専門書」といえよう。
と絶賛してくださっています。
また同紙では、武井博著『泣くのはいやだ、笑っちゃおう』も紹介していただきました。
[木村]