時事通信の『相倉久人にきく昭和歌謡史』書評に感激しました

椙山女学園大学の長澤唯史さんが時事通信で『相倉久人にきく昭和歌謡史』を書評されれたことをツィッターで知ったのが10日ほど前。ウェブでは見つからないので、広告代理店に探してもらって拝見したところ、これがとても素晴らしい書評で感激しました。

〜相倉は、近代的、西欧的な個人主義に基づく自己表現信仰が、音楽をはじめとする近代芸術の宿痾であると断じる。本来、音楽が備えていたはずの芸能としての側面、エンターテインメント性を今こそ評価すべきだとする主張は、豊富な経験と実感に裏打ちされた説得力を持っている。
 この相倉の慧眼が、松村の綿密なリサーチと膨大な音源によって補強されるとき、音楽を通じた近現代日本文化論が見えてくる。本書で繰り返し主張される西洋音楽教育の限界、日本語の身体性、さらには国家による「伝統」の捏造などは、近年の音楽研究の成果とも呼応する。

ちょっと長くなりましたが(11月13日静岡新聞より)、このように相倉さんの歌謡曲論の本質が、的確な言葉で鮮やかに指摘されています。心からの感謝と敬意を表したいと思います。長澤さん、どうもありがとうございました。[S]