5/12発売!【オンデマンド版】パウル・クレーの文字絵──アジア・オリエントと音楽へのまなざし(野田由美意著)

好評につき、オンデマンド版刊行!(旧版は絶版としました)
詩・色彩・音楽・エロス……
クレーの芸術思想の核心にせまる!
20世紀を代表する画家のひとり、パウル・クレーが、1916年から21年にかけて制作した計10点の「文字絵」。「文字絵」とは、文字が他の造形的要素と同じ価値をもって表現された絵画作品のこと。第一次世界大戦とその後の動乱のなかで、彼は「文字絵」に何を託そうとしたのか?
戦争への反感、アジア・オリエントへの憧憬がいかにして文字絵に結実し、その後、音楽的・時間的要素を絵画化するという野心的試みへ発展していったのか。最新の情報、卓抜した着想、緻密な論証により、クレー研究に新たな地平を開く画期的論考!
カラー図版多数掲載!
A5判・並製・216頁
定価:本体3800円+税
発売:2014年5月12日
ISBN978-4-903951-83-6 C1071
装丁:下川雅敏
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●目次

第一章 パウル・クレーと舞踊
1 「風刺画」とのとりくみ
2 アジア・オリエントと舞踊
第二章 一九一六年の文字絵
1 第一次世界大戦前におけるクレーと東洋との出会い
  クレーの植民地政策批判
  エリアスベルク夫妻
  ラインハルト・ピーパー
2 一九一六年の文字絵
第三章 一九一七年の文字絵
1 文字絵《エミーリエ》
2 未来派とダダの詩
3 クリスティアン・モルゲンシュテルンの詩
第四章 一九一八年の文字絵
1 文字絵《かつて夜の灰色から浮かび上がった 色彩文字》
2 『詩篇』第十九篇と『ギルガメシュ叙事詩』
3 ドイプラーの『銀の三日月と』
第五章 一九二一年の文字絵
1 ハンス・クレーの経歴
2 パウル・クレーのアジア・オリエントへの関心と言語領域へのとりくみ
3 『雅歌』による文字絵、第一ヴァージョン
4 『雅歌』による文字絵、第二ヴァージョン
結語
謝辞

参考文献一覧
図版一覧
人名索引
Paul Klees Schriftbilder: Blick auf Asien, den Orient und die Musik, Resümee
●著者プロフィール
のだ・ゆうびい
1971年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻芸術学修士課程修了。スイス政府奨学金を給費され,チューリヒ大学哲学部美術史学科留学。成城大学大学院文学研究科美学・美術史専攻博士課程後期修了。博士(文学)。現在,成城大学文芸学部,多摩美術大学美術学部,横浜国立大学経営学部他非常勤講師。
主要論文:「パウル・クレーと舞踊─第1次世界大戦勃発までに描かれた踊る人物線描画を中心に」『鹿島美術研究』年報第22号別冊,2005年,140–154ページ(2006年,財団法人鹿島美術財団「優秀者」)“Zwei Schriftbilder von Paul Klee aus dem Jahre 1921: «Schriftbild aus dem Hohen Lied ‘Er küsse mich mit seines Mundes Kuss’ (Fassungen I und II)» im Zusammenhang mit der von Klees Vater, Hans Klee, nachgedichteten ‘Biblischen Poesie in deutschmetrischer Fassung: Das Hohe Lied’”, in: AESTHETICS(国際版『美学』,美学会),No.13, 2009, pp.207–219「パウル・クレー作《中国風の絵》と《中国風の絵Ⅱ》の制作背景について」『美術史』,第174冊,2013年,202–217ページ ほか
著書:担当論文「1916年の文字絵制作に至るパウル・クレーと東洋の関係」『パウル・クレー 東洋への夢』展覧会カタログ(千葉市美術館、静岡県立美術館、横須賀美術館),共著者:奥田修,隠岐由紀子,日本パウル・クレー協会,2009年,65–85,157-158ページ ほか
●関連情報(書評/イヴェントほか)
パウル・クレーの文字絵
【オンデマンド版】パウル・クレーの文字絵