本日(2024年3月2日)付の毎日新聞朝刊読書面に「音楽におけるアイデンティティー」と題して、イアン・ボストリッジさんのインタビューが掲載されました。
今週の本棚・著者に聞く|イアン・ボストリッジさん 『ソング&セルフ』|毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20240302/ddm/015/070/020000c
1月末に都内のホテルでおこなわれた取材では、最新著作『ソング&セルフ──音楽と演奏をめぐって歌手が考えていること』について、同紙記者・須藤唯哉さんのさまざまな質問に、ときに深く思考に沈潜しながらていねいに答えてくれました(写真は同紙の玉城達郎さん)。
現代屈指の英国人テノール歌手が30年の音楽活動を基に、「ジェンダー」「人種」「死」という現代に通じる重いテーマと向き合った評論だ。それらには音楽におけるアイデンティティーへの問いが貫かれている。
「[略]アイデンティティーはずっと気になっていたことだが、コロナ禍で仕事として歌うことができなくなった時に、強く自分自身に降りかかってきた」
このように、執筆をうながした社会的状況についても語っています。
「今は便利な時代になったが、本来は図書館に行って、自分で調べることが一番好き」
「[…]哲学的や歴史的なアプローチで書いているので、それは他の音楽家の本とは違うところかもしれない」
と、研究すること、書くことへのこだわりも語りました。
ブリテン《戦争レクイエム》にかんする著書を準備中(「いつになることやら」と笑っていました)とのことで、愛書家の多いボストリッジ・ファンとしても気になるところです。