本日2月17日(土)の朝日新聞朝刊読書面にイアン・ボストリッジ著/岡本時子訳『ソング&セルフ──音楽と演奏をめぐって歌手が考えていること』の書評が掲載されました。
「ソング&セルフ」書評 楽曲が生み出す「未解決の問い」|好書好日
https://book.asahi.com/article/15168952
評者は批評家で立教大学准教授(文学、中国思想)の福嶋亮大さん。
[前著『シューベルトの「冬の旅」』につづき]小ぶりな講義録である本書でも、音楽に「未解決なものや答えのないものと共存していく能力」を見出(みいだ)そうとする意志が貫かれている。
音楽とは粘りづよい探究を経て、演奏家と聴衆の心身において「発明」されるものなのだ。
音楽を思考し、音楽で思考すること――「死の必然性と恐怖」という難題に向かったベンジャミン・ブリテンの楽曲も含めて、それはこわばったアイデンティティを未解決の問いの集合に変える。芸術家は混乱や不協和、恐怖も引き受けて進むが、それは人生の発明とイコールなのである。
このように、深い共感をもって、おそらくは福島さんご自身の音楽体験とも照らし合わせながら、精緻に本書を読み解いてくださっています。
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ボストリッジ本人からの日本の読者へのメッセージはこちら。ぜひこの機会に『ソング&セルフ』をお読みください!
イアン・ボストリッジ最新著書『ソング&セルフ』発売!本人のショートコメントを公開します。|アルテスYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=bhcy8nEZB3w