片山杜秀さんが『文藝春秋』で『わが友、シューベルト』を2023年ベスト3の筆頭に!

『文藝春秋』2024年1月号の「2023年 わたしのベスト3」にて、堀朋平著『わが友、シューベルト』を筆頭に挙げてくださいました。「ここは全てのバランスが崩れた恐るべき世界なのです」という『ウルトラQ』のナレーションを冒頭に、「近代人の不安と最初に向きあったとも言えるドイツ・ロマン派の人々」の代表格としてシューベルトを挙げ、

『わが友、シューベルト』はそんな作曲家像に魅入られている。アンバランスな対象を客観的にバランスよく描こうとしない。本そのものが異様なまでの主観性に貫かれ、アンバランス・ゾーンに落ちている。シューベルトのドッペルゲンガー(分身)なのだ。安部公房の『燃え尽きた地図』を思い出した。失踪者を追う探偵が失踪する。不思議さの横溢する迷宮的大著。

と紹介してくださっています。アンバランスなものを偏愛する片山さんですから、これはもう〝激賞〟といっていいのでは?

ベスト3の残り2つは、浅井佑太さんの『シェーンベルク』(音楽之友社)と南川朱生さんの『鍵盤ハーモニカの本』(春秋社)。とくに後者は、片山さんが「クラシックの迷宮」(NHK-FM)の収録にも、〝マイ鍵ハモ〟を持参し、愛奏していることを知るものは、おもわず「ニヤリ」としてしまうセレクションでした。