『サウンド&レコーディング・マガジン』に『マルグリット・ロン』の書評掲載

『サウンド&レコーディング・マガジン』2023年7月号に神保夏子著『マルグリット・ロン──近代フランス音楽を創ったピアニスト』の書評が掲載されました。

評者はミュージシャンの横川理彦さん。

 本書の特徴は、何といっても著者の文章がおもしろく、上手なミステリーを読んでいるようにワクワクしながら盛り上がることだ。博士学位論文に加筆修正を加えたという成立事情からは思いもよらない。文章家としての力が感じられる。また、主人公となるロンが野心家で、成功し権威を得ていくまでの過程もよくできたドラマのようで楽しめる。

と、読みものとしても楽しんでいただけたご様子。

結びは、

 “結び”で著者自身が語るように、ロンの事例はフェミニズム観点からも時代の現れとして際立っている(もう一人の事例はローマ賞を獲得したリリ・ブーランジェ)。 また、 音楽創造を作曲家と演奏家の“コラボレーション”としてとらえる発想も、ジョン・ケージとデイヴィッド・チューダー、バルトークとベニー・グッドマンなどと関連づけると面白い。

とさらなる読み方の提案も示してくださいました。ありがとうございます!