本日(5月20日)付の沖縄タイムス読書面に吉原真里著『親愛なるレニー──レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』の書評が掲載されました。
書いてくださったのは琉球大学准教授の山里絹子さん。アメリカ研究、移民・ディアスポラ、戦後沖縄文化史などを研究されている方です。
本書について、
個人の葛藤と苦しみに焦点を当て、そこから垣間見える性と個人の自由を描く。また3人[バーンスタイン、カズコ、クニ]の人生を軸に、戦後復興と高度経済成長を遂げる日本のアイデンティティーと、日本と世界を相手に冷戦文化外交を繰り広げるアメリカとの関係力学をもひもといていく。
と位置づけたうえで、
音楽の才能と研究者としての斬新で深い洞察力を兼ね備える著者だからこそ成し得た本書。非核の信念を貫き、戦争の暴力性に音楽を通して調和を求め、さまざまな社会問題に対して声を上げてきたバーンスタインの奏でる音色は、音楽と平和がこだまする沖縄でも響き渡るだろう。
と力強く結んでくださっています。