『週刊読書人』に『わが友、シューベルト』の書評掲載

『週刊読書人』2023年4月21日号に、堀朋平著『わが友、シューベルト』の書評が掲載されました。

評者は東京大学教授で美学者の小田部胤久さん。

 ある作曲家の作品に、あるいはその人の生に迫るとはいかなることなのか。後期シューベルトを論じる本書は、芸術学上のこの永遠の問いに、卓越した仕方で応答する。

と書きおこし、本書の「万華鏡のような観」のもたらす眩惑を愉しみつつも、本書の中心に据えられた「副次主題」という問題に焦点を合わせて、鋭く著者の執筆意図にせまっています。

そして、本書の締めくくりを見とどけたのち、

これ以上の終わり方は考えられない。だが、この終着点から振り返るとき、不思議と触れられていない曲があることに気づかされる。《冬の旅》(D911)がそれである。

と“不在の大曲”に思いをいたしています。

著者がこの「畢生の大著」を世に送り出したのち、これからどのような方向へ歩みをすすめるのか──。書物の内容とその著者の人生とを重ねあわせた、先輩美学者からのエールとも読みとれるあたたかな書評だと感じました。