毎日新聞に吉原真里さんのインタビュー掲載。『親愛なるレニー』を語る!

本日(2023年2月8日)付の毎日新聞夕刊に吉原真里さんのインタビュー記事が掲載されました。

 吉原真里さん 学者だからこその物語に 著書『親愛なるレニー』が話題に|毎日新聞

インタビュアーは同紙記者の須藤唯哉さん。吉原さんの著書『親愛なるレニー──レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』がどのようにして生まれたか、その舞台裏が語られます。

ワシントンの議会図書館で、ふたりの市井の日本人からのバーンスタインに宛てた手紙に出会った吉原さん。

吉原さんは「気分転換というか、興味本位で、本来の研究とは直接の関わりはないだろうと思いながら、『この人たちは一体、誰なんだろう』と閲覧を請求してみた」と明かす。その1通目に衝撃を受けた。「情熱的な、明らかにラブレターだとすぐにわかる手紙だった。もうびっくりしてしまって、そこから急展開した」。当初の研究から大きく方向転換し、残りの書簡もむさぼるように読んだ。

「[…]図書館の資料室で涙が出るような気持ちになったり、ドキドキしたりするようなことは、めったにない。『とんでもないものに出合ってしまったな』というのが、最初の思いだった」

須藤さんは、この「愛の物語」が、学者である吉原さんだからこそ書けたことにも着目します。

音楽と政治や外交の関係を考察することは、学者である吉原さんの本業だ。「本当に美しい愛の物語なので、感動的なストーリーを書くことは、他の人でもおそらくできると思う。ただ、せっかく私のような研究者が巡り合った書簡なので、日米の両方に拠点を置いて仕事をしてきた私だからこそ、書けるようなものにしようという思いがだんだん強くなっていった」。歳月とともに変化していく個人間の交流をたどることは、おのずと歴史の中における音楽の立ち位置を見つめることになった。

本に書かれたストーリーだけでなく、その成立の過程や著者の思いに寄り添って書かれたとてもうれしい記事でした。