朝日新聞で磯野真穂さんが『親愛なるレニー』を激賞!

本日(2023年1月14日)付の朝日新聞朝刊読書面に吉原真里著『親愛なるレニー──レナード・バーンスタインと戦後日本の物語』の書評が掲載されました。

 「親愛なるレニー」 巨匠へ宛てられた書簡に宿る愛|好書好日

評者は文化人類学者の磯野真穂さん。「巨匠へ宛てられた書簡に宿る愛」と題し、「愛とは創造であり、創造とは対象に於て自己を見出すことである」という哲学者・三木清の一節を冒頭に置いて、本書に宿る「三つの愛」について、ひとつひとつひもといてくださっています。

「戦時下の国家主義的な教育にうんざりしていた10代のカズコ」にバーンスタインがあたえた「想像の翼」──

愛は希望の源泉なのだ。

バーンスタインと激しい恋に落ちたクニは、「彼との間に生まれた愛を足場に自らの人生を拓く」──

愛はこんなにも人を成長させるのか。

そして三つめの愛は「著者吉原が本書に注ぎ込む、狂気と紙一重の情熱の中に」──

 何かのすれ違いがあれば、出版自体が不可能となるような内容だ。それを知りながら、何が著者を執筆に駆り立てたのか。
 きっと吉原は書簡の美しさに取り憑かれ、澄み切った渦に巻き込まれるように本書を書いたに違いない。

とくに三つめに挙げた吉原真里さんの「愛」には、みずから研究者として数々の著作を世に送りだしている磯野さんならではの、切実なまでの実感がこもっています(磯野さんと宮野真生子さんとの共著『急に具合が悪くなる』はそんな「愛」にあふれた傑作でした!)。

「三つの愛に深い感謝を」と結ばれたこの書評。なんと紙面のいちばん大きな枠での掲載です。磯野さんのこの本への“愛”が多くの人に伝わりますように!