2023年1月6日付(2022年12月30日合併)の『週刊読書人』にて、ピアニストの下山静香さんが吉原真里著『親愛なるレニー』を書評してくださいました。
【What’s New!】週刊読書人1月6日号|読書人WEB
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[…]「広島平和コンサート」や、ベルリンの壁崩壊直後に実現した世界の音楽家混成による《第九》の指揮など、平和への希求を行動で示すその[バーンスタインの]生き方は、現実社会における“音楽家”の存在意義を見失いかけていた当時の筆者に強い印象を残したものだ。
と、下山さん自身のバーンスタイン観を振り返ったうえで、
永遠に埋もれていたかもしれない手紙から甦った、バーンスタインと彼ら[天野和子さんと橋本邦彦さん]の個人的な「愛」の物語と、世界情勢の波が交錯していくという、著者ならではの視点が生きた柔軟で魅力あるドキュメンタリーとなっている。
そしてバーンスタインもまぎれもなく「愛の人」であり、愛そうとする意思を通すことと政治的な行動がときに同義にもなったが、その愛をもっとも雄弁に語ったのはやはり、まぎれもなく「音楽」だった。
地球上にひしめく何十億という人間のなかのたった三人が紡いだこの物語は、ひそやかだが壮大で、清々しい。そして、私たちの人生は世界の誰かとつながっている、孤独ではないのだということを、あらためて教えてくれているようだ。
と、満腔の共感をもって綴ってくださいました。ありがとうございます。