『レコード芸術』に『礒山雅随想集 神の降り立つ楽堂にて』の書評掲載

『レコード芸術』2021年3月号に『礒山雅随想集 神の降り立つ楽堂にて』(森岡めぐみ 編著/住友生命いずみホール 協力)の書評が掲載されました。評者は音楽評論家の増田良介さん。同誌の書評欄「BOOKMARK」のメインの大きな書評です。

 この本は、これまであまり広く知られていなかった、いずみホールの音楽ディレクターとしての礒山氏の活動を主題としている。[略][第一部に掲載された「音楽学者のいるコンサートホール」(執筆:森岡めぐみ)と「コンサートを創造する」(文責:住友生命いずみホール)の]いずれも、客観的な記述でありながら、礒山氏への敬意と親しみが伝わってくるいい文章で、いずみホールの企画に礒山氏がどのように関わり、どれほど心血を注いでいたかがつぶさにわかる。

第一部を読んでからこれら[第二部の礒山氏によるエッセイ]を読むと、見え方が全然違う。文章の背後にある礒山氏の志の高さ、まなざしの温かさに気づくようになるのだ。どれも、平易な表現で書かれ、さらっと読める短い文章だが、内容には妥協がない。これがいかに大変なことか。ひとつひとつの文章に込められた、礒山氏の苦心と熱意を思う。

われわれは、この本をひもときつつ、礒山氏の残してくれた、このかけがえのない財産を大切にしていきたい。

と、たくさん引用してしまいましたが、本書の企画意図を十二分に汲み取りながら、礒山さんの知られざる功績に目を向けさせてくれる素晴らしいレビューとなっています。増田さん、ありがとうございました!

ちなみに、この書評の横には、『荘村清志 弾いて飲んで酔いしれて』(吉田純子 編著)の短評も掲載されています。