『レコード芸術』2020年3月号にルチアナ・ガリアーノ著/ピーター・バート編/小野光子訳『湯浅譲二の音楽』の書評が掲載されました。評者は白石美雪さん。
あらためてこの著作が、いわば外部の眼から見た日本文化論に依拠して書かれていることに思い至った。
[湯浅の]代表作の分析を通じて湯浅の音楽と思想を詳らかにした力作で、ガリアーノは背景となる作曲家の思想を、サルトルや鈴木大拙、松尾芭蕉、世阿弥とていねいに結びつけながら論じている。著者が湯浅本人にインタヴューを重ね、多くの資料にあたった成果は明らかだ。
[…]西洋の芸術家とは異なる日本の詩学が、著者の立ち位置だからこそ可能な説得力をもって記述される。[…]湯浅の技法を分析する記述も明快だ。
じっくりと読み込んだうえで、高く評価していただいています。