眼差しの先にあるのは血の通った人間愛──桂川潤さんが『新文化』で『雨の歌』を紹介

出版業界紙『新文化』のコラム「風信」にて、装丁家の桂川潤さんが、菅野美智子著『雨の歌』について紹介してくださいました(2019年5月30日号)。桂川さんには同書の装丁をお願いしたのですが、刊行後に思いがけなく著者の菅野さんとの交流が生まれたことをきっかけに思いめぐらされたことを、「橋渡し役としての「通訳」」と題してつづっておられます。

同書の主人公ゲルハルト・ボッセの通訳を長年つとめた著者・菅野美智子さんについて、そしてある意味で「芸術的な通訳」ともいえるボッセ自身の生涯について、「装丁もいわば著者と読者の橋渡しをする通訳」という自覚のもと、短い字数のなかで滋味あふれる紹介をしてくださいました。「その眼差しの先にあるのは血の通った人間愛なのだ」ということばに、ボッセ−菅野さん−桂川さんをつなぐ「通訳者」としての矜持をみる思いがします。