芸術と人生を共に生きる実感を静謐に──上毛新聞に『雨の歌』の書評掲載

5月19日付けの上毛新聞読書欄に、菅野美智子著『雨の歌──ゲルハルト・ボッセ、その肖像のための十八のデッサン』の書評が掲載されました。評者は音楽評論家の青澤隆明さん。

通訳として、人生の同伴者として、彼女[著者]はボッセの思いを、真摯な心を、そして言葉が黙している感情をも丹念に伝えた。

東独での職業生活を含め、彼がどのように芸術、時代や人々と向かい合って生きたかを尊敬と愛情に満ちた確かなまなざしで回想していく。18の文章によるデッサンは、芸術と人生を共に生きる実感を込め、しかし静謐に描かれている。

 「ああ、ブラームスは最後にこんな光を見せてくれるのか」と夫が言った、そのやさしい光に向かって、著者の随想は今後も深い残響を奏でていくだろう。

と深い共感をもって評していただきました。