『日本病跡学雑誌』に『音楽と病のポリフォニー』の書評掲載

日本病跡学会の機関誌『日本病跡学雑誌』第96号に、小林聡幸著『音楽と病のポリフォニー』の書評が掲載されました。評者は精神科医(筑波 大学医学医療系茨城県地域医療教育センター精神科、茨城県立中央病院精神科)の佐藤晋爾さん。「Der lieben Ausdruck!──多様性という一貫性をもつ書物」と題し、

どうやったらこのように飛躍のない理路で精神病理学的思考と博学な音楽史を結び付け、私たちの臨床実践に通じる議論にまとめられるのだろうか?

それまで病跡学論文を読んでいたはずだったのに、いつの間にか「病」が消えている。しかし、精神「病理」学的考察がしっかりされているので、「病」の要素がまったく消えているわけではない。確かに前半は病跡学だった。しかし、後半の疾患が消えた論文も精神医学論文として成立している。

──このように、本書の「康跡学(Salutography)」としての意義を捉えて、たいへん高く評価してくださいました。