物語にまつわるもやもやを明快に解きほぐす。|『モーストリー・クラシック』に『《ニーベルングの指環》教養講座』の書評掲載

『モーストリー・クラシック』7月号に山崎太郎著『《ニーベルングの指環》教養講座』の書評が掲載されました。「専門職員によるプレトーク」と題し、音楽評論家の江藤光紀さんが評してくださいました。

本書は登場人物の動作や言葉を掘り下げ、愛と黄金の二択命題に始まり、資本による搾取、父から声の王権の移譲、神と人間の関係をトポロジー的に映し出す物語空間などをテーマとして読みだすことで、物語にまつわるこうしたもやもやを明快に解きほぐしてくれる。

ドイツの劇場には作品解題から上演までをつなぐドラマトゥルクというポストがあるが、著者はその日本における紹介・実践者としても知られる。ここ数年、国内団体による上演が増え、いよいよリング・ルネサンス到来の観があるが、言ってみればこれは専門職員によるプレトークである。

6/1-17には新国立劇場での「ジークフリート」公演、6/11には名古屋で愛知祝祭管弦楽団による「ヴァルキューレ」公演など、この書評にもあるとおり、時ならぬリング上演ブーム到来の感があります。そんななか、書店や楽器店、オンラインショップでも現在大好評をいただいている本書をぜひ手にとってみてください。[G]