作者の隠れた意図に光を|毎日新聞で山崎太郎さんが『ヴァーグナーと反ユダヤ主義』を紹介

本日7月9日(日)付けの毎日新聞読書面「この3冊」にて、東京工業大学教授の山崎太郎さんが、鈴木淳子著『ヴァーグナーと反ユダヤ主義──「未来の芸術作品」と19世紀後半のドイツ精神』を紹介してくださいました。今年、バイロイト音楽祭で10年ぶりの新演出で上演されるワーグナー《ニュルンベルクのマイスタージンガー》をテーマに、三光長治著『新編 ワーグナー』(平凡社ライブラリー)、三宅幸夫・池上純一訳の対訳本『ニュルンベルクのマイスタージンガー』(白水社)とともに紹介してくださっています。南伸坊さんによる山崎さんとワーグナーの似顔絵もおもしろい!

敵役ベックメッサーがユダヤ人の戯画だという説は初演以来根強いが、装飾音をはじめとする彼の歌の特徴をユダヤ歌曲の実例と比較検証し、作者の隠れた意図に光を当てた意義は大きい。

刊行から6年たった本ですが、こうしてまた取り上げてもらえるのはとてもうれしいことです。そして、山崎太郎さんといえば、今年出版した『《ニーベルングの指環》教養講座』が絶好調! 新国立劇場、愛知祝祭管弦楽団ほかさまざまな「指環」上演時に会場で販売していただいていますが、いずれもたいへんな好評をいただいています。まだお読みでない方は、鈴木淳子さんの『ヴァーグナーと反ユダヤ主義』ともども、ぜひチェックしてみてください。[G]