『音楽学』に『聴く人(homo audiens)』と『〈クラシック〉と〈ポピュラー〉』の書評掲載

聴く人(homo audiens)

日本音楽学会の機関誌『音楽学』第62巻2号に、近藤譲著『聴く人(homo audiens)──音楽の解釈をめぐって』と吉成順著『〈クラシック〉と〈ポピュラー〉──公開演奏会と近代音楽文化の成立』の書評が掲載されました。

『聴く人(homo audiens)』の評者は長木誠司さん。

……真摯に思考し続ける「聴く人」たる著者の与えてくれる、比類なく素晴らしい贈り物である。導きの糸こそ、探求の人・近藤譲からの大いなる贈与だ。

と、いくつかの疑問を呈しながらも、全体的にたいへん高く評価してくださっています。

『〈クラシック〉と〈ポピュラー〉』の評者は宮本直美さん。近年邦訳版が出版されたW.ウェーバーの『音楽テイストの大転換』(法政大学出版局)と対比しながらも、

……本書は新聞記事のデータベースを調査することにより、[「クラシック」と「ポピュラー」の区分がメディアに現れるようになった]その時期を可視化することに成功した。こうした大規模な統計データを概観することは、全体の動きを探る上で、また変化の時期を摑む上で非常に有益である。

などと、吉成さんの研究手法を評価し、そのうえでいくつかの課題を提起されています。[木村]