川島素晴さんが第27回中島健蔵音楽賞を受賞

作曲家の川島素晴さんが第27回中島健蔵音楽賞を受賞(もうひとりの受賞者はピアニストの児玉桃さん)、本日(3/3)、大手町の銀行倶楽部3階ホールにて贈呈式がおこなわれました。
川島さんの受賞は、その創作活動はもとより、すでに17年におよぶという現代音楽演奏会の企画・プロデュースの実績を高く評価されてのもの。わたしも昨年の湯浅譲二個展、甲斐説宗個展はじめ、川島さんプロデュースの「eX.(エクスドット)」シリーズは親しく聴かせていただいていますが、川島さんはじめ若手音楽家の純粋なリスペクトが湯浅、甲斐、ケージ、シュトックハウゼン、ファーニホウといった大家の作品へ一直線に向かう様子がすがすがしく、また徹底的な分析にもとづく説得力のある演奏もすばらしく(毎回、演奏会に数日先だってレクチャーがおこなわれる徹底ぶり)、閉塞的な状況にある現代音楽の世界をいっきに変えてくれるのではという予感を感じさせます。おそらくそうした切実な期待も今回の授賞にはこめられているのでしょう。
川島さんは、(まだ)アルテスの著者ではありませんが、じつは会社創立のころから、「ぜひ、誰も書いたことのない新時代の現代音楽入門書を!」と執筆をお願いしております。作曲、プロデュースのほかに、文筆の世界でも、現代音楽の世界に革命をおこしてもらいたいと心から願っています。
直近の「eX.」は甲斐史子(vn)と大須賀かおり(p)によるデュオ「ROSCO」が川島さんと、このシリーズのもうひとりのプロデューサーである山根明季子さんの作品を演奏するというもの。3/14(土)に「experiments」(レクチャー)、3/19(月)に「live」がおこなわれます。詳細は以下で。
http://www.komp.jp/

[木村]