『レコード芸術』3月号(この号は広告といい、吉田秀和さんの文章といい、アルテスの露出が多いのですが)の「BOOK MARK」のコーナーで、山崎浩太郎さんが『音盤考現学』について書評してくださいました。
巻末の索引を「編集者の労作」と紹介してくださったうえで(これ、うれしい!)、そこに並んだ広範囲の人名を見て、「知識が目的ではなくただ叙述の手段として、とことん使役され、搾取されているのが小憎らしく、素晴らしい」と評価してくださっています。
片山さんの音楽批評の本質についても「徹底的に面白がるという姿勢」を指摘されていますが、これは編集担当者として、まったく同感です。身のまわりのことがすべて面白くてしかたない、面白すぎるから、そのただ中に身を投じて溺れてしまう、その溺れている自分も面白がってしまう──これが片山さんという人ではないかなあ、と感じます。[木村]