今日発売された「図書新聞」2955号の1面に、フリー編集者の仲俣暁生さんによる『フルカワヒデオスピークス!』のレビューが掲載されました。作家・古川日出男がミュージシャンやダンサー、デザイナーなど異ジャンルのクリエイターたちと初対面で対談するという挑戦を成し遂げたこの本の真価を見事に明らかにしてくれていて、世に送り出した者にとってたいへん嬉しい批評です。
“クリエイターたちと古川日出男が共有しているのは、芸術家としての、一種の「孤独」の感覚である。「業界人」として生きるのではなく、「個人」として生きることを選んだ人間だけが発することのできる、ヒリヒリとした言葉がそこにある。だからこそ、これらの人々との対談で発せられた言葉は、仮にその語り手についての予備知識を読者がまったく持っていなかったとしても、しっかりと届く”
だから、もし仮にあなたが古川日出男の小説を読んだことがなかったり、ゲストの顔ぶれに関心をもてなかったとしても(まさか!)、なにかを創ること・表現することを大事にしているなら、ぜひ読んでほしい本なのです。必ずや強い励ましと熱いエネルギーを得ることができるはずです。
古川日出男にとって「ものを作る」とはどういうことなのかを明らかにした上で、本書のプロデューサーである批評家・佐々木敦さんの仕事としてもこの本を読み解くなど、丁寧に読み込んでくれた仲俣さんに感謝します。ひとりでも多くの人がこの本を読んでくれますように。
[鈴木]