本日3月1日は、ショパンの199回目の誕生日。この記念すべき日にあわせて、ショパンピアノ全作品連続演奏会の第1回目が、渋谷のタカギクラヴィア松濤サロンで行われました。定員50名の小さな会場は、客席とピアノの距離がとても近くて、まさしくサロン! ピアニストの指がよく見えるどころか、その息使いまで感じさせる親しみに満ちた空間は、サロンで育ったショパンの演奏会にぴったりの場所。そこではピアニストの遠藤眞澄さん、解説の小坂裕子さん、フロアのお客さんの熱気が相まって、とてもぜいたくで濃密な演奏会でした。
さらに特筆すべきは今日使われたピアノ。1887年製で、美しいローズウッドのボディを持ったこのニューヨーク・スタインウェイのピアノは、かつてホロヴィッツが来日した際「すばらしいピアノだ! 私のピアノを持ってくる必要はなかった。これだったらコンサートに使える!」と絶賛したもの。現代のグランドピアノよりも一昔前の作られたこのピアノは、さまざまな音色と倍音にあふれていて、遠藤さんの演奏を終始支え続け、すばらしい音を響かせていました。
今日は若き日のショパン作品が中心ということもあり、技巧的にもショパンの意欲に満ちた、難しい作品が並んだプログラムでしたが、間近に見える遠藤さんの指の動きからその難曲ぶりを感じるだけでなく、万華鏡のように色合いが移り変わる音の響きを浴びた2時間でした。
この連続演奏会、必聴です! 第2回は4月4日(土)ですので、東京近郊にお住まいの方は、ぜひチェックしてみてください。
2009年4月4日(土)
開演17:00 料金¥3,500
タカギクラヴィア 松濤サロン
(全席指定 50名様限定 飲物付)
◇中井恒仁(ピアノ) 小坂裕子(解説)
◇PROGRAM
作品9 3つのノクターン
作品10 12の練習曲
作品12 華麗なる変奏曲
作品15 3つのノクターン
http://takagiklavier.com/