日本音楽学会の機関誌『音楽学』第57巻2号に、平尾雅子(訳・解説)、濱田滋郎(監修)『オルティス 変奏論』の書評が掲載されました。評者は小川伊作さん。
原書は1553年にローマで出版された音楽書だが、これまでドイツ語に翻訳された現代譜版かイタリア語版のファクシミリしか入手できなかった状況を考えると、原書のすみずみにいたるまで日本語で読むことができるようになったことは、演奏家、研究者そして愛好家にとって、この上なくうれしい出来事といってよいだろう。また単なる原書の翻訳にとどまらず、原書を理解するために必要な諸々の事柄を詳細に記述した50頁に及ぶ「解説」が付されている点が、本書の価値をさらに高めている。また本体である翻訳部分も、原書(ファクシミリまたは打ち直し)との対訳になっている点も特筆すべきであろう。
……などなど、引用していくと切りがないほどですが、たいへん高く評価してくださっています。
また、
本書について、出版社自らが本書についてのインターネット・サイトを開設し、本書に関わる情報とあわせ、正誤表を公開していることは良心的な取り組みととして評価したい。また上記のサイトによれば、今後本書をオンデマンドで出版するとのこと。ならば「付録」となっているが、実際は綴じられているパート譜を、利便性を考え、当然別冊にすべきだろう。
と、弊社の姿勢についても評価と注文をいただいております。その後出版したオンデマンド版についての「注文」については、現状はコストの関係でむずかしいのですが、今後もひきつづき検討課題としたいと思います。
[木村]