ひとくち味わえば、音と味と歴史が響きあう──
名曲と洋菓子にまつわる物語を、美しい写真とエッセイで紹介する甘美な一冊。
鈴木優人さん(指揮者、チェンバロ奏者)、木村成克さん(パティシエ)推薦!
“読むだけで味覚・聴覚が刺激され、
創造的なインスピレーションが湧きだす”
鈴木優人さん(指揮者、チェンバロ奏者)
“私たち菓子職人にとっての
バイブルのひとつに”
木村成克さん(千歳烏山「ラ・ヴィエイユ・フランス」パティシエ)
洋菓子の歴史はヨーロッパの歴史、そして芸術の歴史とも密接に関連しています。
ある時代、ある場所で洋菓子が生まれ流行したとき、音楽の世界でもかならず大きなうねりが起こっています。
本書はクラシック音楽の歴史をたどりながら、作曲家や名曲の生まれた背景と洋菓子にまつわる物語を、
美しいカラー写真と17篇のエッセイとで紹介した甘美な一冊。
巻末にはレシピも掲載しています。
著者は福岡市で長年お菓子教室を主宰し、研究熱がこうじて九州大学大学院の門を叩き、
「バウムクーヘンの比較文化史的考察」という論文で博士号も取得したお菓子研究家です。
ご存知でしたか? 音楽と洋菓子の秘められた関係──
ヘンリー8世作と伝えられる《グリーンスリーヴズ》と彼が独り占めしようとした英国菓子「メイズ・オヴ・オナー」、
贅沢な素材をふんだんに使った「トローネ」とヴェネツィアに暗躍したヴィヴァルディ。
ピアノの名匠リストとスター・シェフ、カレームが活躍したロスチャイルド家のサロンで生まれた「シャルロット」……。
鈴木優人さん(指揮者・チェンバロ奏者)
音楽とスイーツの幸せな結婚(マリアージュ)!
お菓子と音楽、そして歴史を多角的にひもとく本書は、
読むだけで味覚・聴覚が刺激され、創造的なインスピレーションが得られる一冊。
バロック音楽もたくさん登場、うれしいかぎり。
木村成克さん(千歳烏山「ラ・ヴィエイユ・フランス」パティシエ)
菓子職人が伝統菓子にノスタルジーを感じるように、
音楽家はクラシック音楽にあこがれを感じるのかもしれません。
私たち菓子職人にとっても興味深い歴史エピソードが満載の本書は、
これから私のバイブルのひとつになることでしょう。
ためし読みもできます! こちらからどうぞ。 https://hanmoto7.tameshiyo.me/9784865592351
プロフィール
三浦裕子(みうら・ゆうこ)
1953年、福岡生まれ。お菓子教室Sweets & Table主宰。高校時代、故・林りり子氏のもとでフルートを学ぶが、レッスン3回目にしてその厳しさについていけず挫折。お菓子の研修でウィーンを訪れたさい、国立歌劇場の立ち見席で連日オペラとバレエを観て以来、舞台芸術に魅了されている。また表千家の茶の湯に長く親しみ、和菓子の歴史についても学んでいる。「劇場は癒しの場」で2001年に第11回日本ダンス評論賞入賞。著書に『うれしいお菓子、せつないお菓子』(東京書籍、2006)などがある。
www.miurajimusyo.com
CONTENTS
はじめに
01 中世の香り
《教皇マルチェルスのミサ》とカスタニャッチョ
02 ヘンリー8世の純情
《グリーンスリーヴズ》とメイズ・オヴ・オナー
03 17世紀のイングランド
──イタリア的でもなく、フランス的でもなく
ヘンリー・パーセルとトライフル
04 ヴェネツィアのバロック──人生とお菓子
ヴィヴァルディとトローネ
05 「もてなし」としての音楽とお菓子
テレマンとバウムクーヘン
06 大作曲家と新しい飲みもの
バッハとコーヒー
ヘンデルと紅茶
スカルラッティとチョコレート
07 家柄でもなく、財力でもなく
──19世紀帝政時代のパリ社交界で必要なもの
リストとシャルロット
08 ヴィクトリア朝の残り香
エルガーとヴィクトリア・サンドウィッチ・ケーキ
09 ノスタルジアとしての森
フンパーディンクと黒い森のケーキ
10 劇場とホテルがタッグを組んだセールス・プロモーション
メルバとピーチ・メルバ
11 ご当地菓子を麗しきバレリーナで売りこむ
パヴロワとパヴロワ
12 音楽の都、お菓子の都ウィーン
ザッハートルテ
エステルハージ・シュニッテン
リンツァートルテ
13 アメリカのフロンティア精神
フォスターとクッキー
14 フランスのなかのスペイン
ラヴェルとガトー・バスク
15 1920年代のニューヨークのエネルギー
《ラプソディ・イン・ブルー》とチーズケーキ
16 心の扉を叩くソナタとマドレーヌ
──『失われた時を求めて』
フォーレとマドレーヌ
17 詩人の心象を支えたお菓子
北原白秋とカステラ
おわりに
RECIPE
参考文献