多くの有力合唱団のヴォイストレーナー、指揮者として活躍する著者が、
自然で無理のない発声とは何かを人体の構造から究明。
美しい声の秘密がいま解き明かされる!
信長貴富さん(作曲家)推薦!
著者は私が所属していた大学合唱団の恩師。
当時教わった発声の理論がさらに深化し、
集大成されてこの本に収められています。
とかく個人の感覚のみに頼りがちな
声楽テクニックの普遍的な解がここにあります。
オペラやドイツ・リートの分野で活躍し、
ヴォイストレーナーとして数々の有力合唱団をコンクール金賞に導いた著者が、
長年の研究により確立した理論を1冊に凝縮。
1.発声のメカニズム、トレーニング方法、歌唱への応用法などをきわめて具体的にわかりやすく解説。
2.発声における筋肉の支えを「動的バランス」という視点からとらえ、いかにして声を支え、力の抜けた感覚を得るかを詳述。
3.多数のイラストにより、発声の身体感覚をつかむための簡単な補助運動を図解。
これまでイメージで語られてきた「美しい声のつくり方」が科学的に実証される!
ためし読みもできます! こちらからどうぞ。
プロフィール
石野健二(いしの・けんじ)
バリトン歌手、合唱指揮者、ヴォイストレーナー、宇都宮大学名誉教授。
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院音楽研究科独唱専攻修士課程修了。
栗山文昭、須賀靖和、酒井弘、原田茂生各氏に師事。
バリトンとして数々のオペラに出演、フィガロ、ジェルモン、エスカミーリョ、 シャープレスほかを演じ、また、シューベルト《冬の旅》《白鳥の歌》、ブラームス《4つの厳粛な歌》、 マーラー《さすらう若人のうた》ほかによるリサイタルをおこなう。
ヴォイストレーナーとして多くの合唱団にかかわり、全日本合唱コンクールで金賞受賞の実績をもつ。
CONTENTS
まえがき
本書の使い方
序 発声法のあり方
さまざまな声と発声法
日常の声
西洋クラシック音楽の発声
地声発声
ポピュラー音楽の発声
発声法の目標
発声法の追究にあたって
発声法の目標 その1──声の機能を高める
発声法の目標 その2──身体に無理のない発声
発声法の目標 その3──声のとらえ方と空間意識
発声法の基準としてのベル・カント
Ⅰ 発声のしくみ
姿勢
発声と身体
姿勢
喉頭と声
喉頭
喉頭の支持構造
声帯と内喉頭筋
外喉頭筋のはたらき
声区
喉頭のメカニズム
響きのとらえ方
喉頭の準備位置
呼吸器官と声
呼吸筋
胸声
頭声
中声
呼気圧と喉
呼吸における対抗運動
歌唱におけるさまざまな対応
準備と発声
声区移動
デュナーミク処理など
子音・母音の発音
音色設定
Ⅱ 声のトレーニング
目標とする声
姿勢づくり
呼吸練習
胸声=「太い息」
頭声=「細い息」
「太い息」と「細い息」の交替
胸郭拡張
発声練習
発声練習の留意点
発声の準備
頭声発声
胸声発声
中声発声
総合練習
さまざまな練習と留意点
広い視点から発声に取り組む
簡易な発声練習
Ⅲ 歌唱の実践
発声と歌
補助運動をおこなうにあたって
補助運動の基本
日本歌曲──《この道》
練習にあたって
基本技術の総合
イタリア歌曲──《Caro mio ben》
ドイツ歌曲──《An die Musik》
練習にあたって
《魔王》におけるキャラクターづくり
合唱曲──《Ave verum corpus》
練習にあたって
あとがき
参考文献