「亡命」の音楽文化誌

定価:本体2400円[税別]

  • B6判変型・並製 | 360頁
  • 発売日 : 2018年3月16日
  • ISBN 978-4-86559-182-8 C1073
  • ジャンル : クラシック/音楽史
  • 装丁:折田烈(餅屋デザイン)

音楽家の「祖国」はどこにあるのか?──
歴史の荒波に翻弄された音楽家たちの闘いを描く!

楽園からの追放か、
それとも、
楽園への逃亡か──

政治的亡命(ラフマニノフ)、
精神的亡命(ショスタコーヴィチ)、
祖国の喪失(ショパン)、
幸福な転身(コルンゴルト)……

音楽に秘められた社会的背景を、
圧倒的な博識と洞察力で読み解く!
歴史の荒波に翻弄された音楽家たちは、
いかにして「新しい世界」をめざしたのか──

「亡命を経験した作曲家たちの音楽には、ノスタルジーとともに、「新しい世界」と出会う欲求や希望を感じとることができます。それは今日を生きる私たちにとっても、このうえなく重要な意味を持つのではないでしょうか」
──ルネ・マルタン(ラ・フォル・ジュルネ音楽祭 アーティスティック・ディレクター)

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭 日仏共通オフィシャルブック

プロフィール

  • エティエンヌ・バリリエ(Étienne Barilier)
    1947年、スイスのフランス語圏ヴォー州に生まれる。アルベール・カミュの研究で文学博士号取得。小説家、随筆家、ジャーナリスト、翻訳家として多彩な活動を展開。
    『アルバン・ベルク』(1978)、『音楽』(1988)、『トリスタンという名の犬』(1993)、『B‐A‐C‐H』(2003)など音楽関係の随筆や小説はもとより、絵画や文学にかかわる著作を多数発表。これまで邦訳された著書に、『蒼穹のかなたに──ピコ・デッラ・ミランドラとルネサンスの物語』(桂芳樹訳、岩波書店)、『ピアニスト』『さらばピカソ!』(以上、鈴木光子訳、アルファベータ)がある。ランベール賞、ヨーロッパ・エッセイ賞、ビブリオメディア・スイス賞など受賞。

  • 西久美子(にし・くみこ)
    日仏英翻訳者。2005年、東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。2008年、リヨン第二大学文学・言語学・芸術学部修士課程修了。訳書にJ.-J.エーゲルディンゲル『ショパンの響き』(小坂裕子監訳、音楽之友社、2007)、E.レベル『ナチュール 自然と音楽』(アルテスパブリッシング、2016)、C.パオラッチ『ダンスと音楽』(同、2017)がある。

CONTENTS

はじめに 冬の旅
第1章 故郷喪失者が幸せだった時代──リュリ、ヘンデル、スカルラッティを中心に
第2章 祖国喪失──ショパンとポーランド
第3章 さまよえるオランダ人たち──亡命者ヴァーグナーをめぐって
第4章 ハリウッドでよみがえったメンデルスゾーン──《夏の夜の夢》とコルンゴルト
第5章 甘いアップルと苦いオレンジ──ヴァイルとアイスラーの明暗
第6章 《「創世記」組曲》──シルクレットと六人の亡命作曲家たち
第7章 ロサンゼルスのスフィンクス──ストラヴィンスキーの場合
第8章 亡命がまねいた悲運──バルトーク/ツェムリンスキー/エネスク/ラフマニノフ
第9章 遺伝子に刻まれた郷愁──プロコフィエフと祖国
第10章 ショスタコーヴィチと予言の鳥──ソ連の作曲家たちの精神的亡命
第11章 テレジーン収容所に響く児童合唱──ナチスに虐げられた作曲家たち
第12章 荒野の予言者──孤高の人シェーンベルク
おわりに 君よ知るや南の国