ファジル・サイ
ピアニスト・作曲家・世界市民

定価:本体2000円[税別]

  • 四六判・並製 | カラー口絵4頁+272頁
  • 発売日 : 2012年6月28日
  • ISBN 978-4-903951-55-3 C1073
  • ジャンル : クラシック/ピアノ/演奏家
  • ブックデザイン:白畠かおり

佐渡 裕(指揮者)さん推薦!
「ガラス細工のように繊細で、切れ味のよいナイフのように鋭いファジル。これほど豊かな独創性をもった人と出会ったことはありません」

西洋と東洋、クラシックとジャズ、ピアノと作曲──
ふたつの世界をさすらう魂の音楽家、ファジル・サイ。この6月の来日を記念して、初のバイオグラフィー刊行!音楽ジャーナリスト・林田直樹氏による解説付き。

トルコが生んだ天才ピアニスト、ファジル・サイは、多重録音による『春の祭典』やモーツァルト〈トルコ行進曲〉のジャズ・アレンジなどで衝撃を与え、クラシックというジャンルを越えた独創的な音楽性により、世界的に高い評価を受けています。日本では『たけしの誰でもピカソ』や『題名のない音楽会』への出演も話題となりました。
ニュー・アルバム『展覧会』(CDとDVD)を発表したばかりのファジル・サイは、この2012年6月から7月にかけて来日し、全国6ヵ所で公演を行ないます。プログラムには日本初演となる新作〈4つの都市──チェロとピアノのためのソナタ〉も。

本書『ファジル・サイ』はその来日を記念して出版するもので、西洋と東洋の間に位置する国、トルコという独特の環境で育った幼少期から、世界中で活躍している今日までを記した、初めての本格的な評伝です。著者はドイツの実力派の音楽評論家。ファジル本人との対話を交えながら、豊かな教養をベースに政治・宗教・社会と音楽の関係や
ジャンルを超えた芸術の価値についても真摯に追究した内容はファジルのファンならずとも読み応えたっぷりの1冊です。

ファジルサイ最新録音、好評発売中!
DVD『展覧会の絵 LIVE』(AVBL-25530)
エイベックス・クラシックス

2012年日本ツアー日程
6月28日(木)紀尾井ホール
6月29日(金)神奈川県立音楽堂
7月1日(日)所沢市民文化センター
7月5日(木)杉並公会堂
7月7日(土)鎌倉芸術館
7月8日(日)松江市総合文化センター

プロフィール

  • ユルゲン・オッテン(Jurgen Otten)
    1964年生まれ。確かな技術を備えたピアニストであると同時に、音楽批評家、演劇批評家としてドイツで活躍。数多くの名高い新聞や雑誌に寄稿している。50人を越えるピアニストをとりあげた著書『現代の偉大なピアニストたち Die großen Pianisten der Gegenwart』(ヘンシェル、2009年)は各紙で絶賛を博した。

  • 畑野小百合(はたのさゆり)
    1985年、東京生まれ。国立音楽大学音楽学部器楽科ピアノ専攻卒業。東京学芸大学大学院教育学研究科総合教育開発専攻修士課程修了。現在、東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学(音楽学)専攻博士後期課程在学中。論文に「アルトゥール・シュナーベルの音楽思想に関する一考察」他。ドイツ学術交流会(DAAD)短期(2009年)および長期(2012年~)奨学生として、ベルリン芸術大学に留学。

CONTENTS

1 テンペスト・ソナタ──舞台の上のファジル・サイ
2 国境なき演奏──アンカラでの幼少期
3 ドイツ夏物語──デュッセルドルフの学生生活
4 シェーネベルクからの眺め──ベルリンでの修業時代
5 アメリカン・ドリーム──コンクール制覇とその後
6 イスタンブール我が愛──愁える街のさすらい
7 七つの丘を越えよ──《イスタンブール交響曲》
8 「ファジル・サイは天才です」──ベネディクト・シュタンパとの対話
9 分裂が育む知性──伝統と進歩に揺れる国、トルコ
10 「いつの日も私の故郷は音楽です」──ファジル・サイとの対話 I
11 詩人の恋──文学作品への作曲
12 クロイツェル・ソナタ:響きあう魂──ファジル・サイとパトリシア・コパチンスカヤ
13 モントルーのモーツァルト──編曲、即興演奏、ジャズ
14 西東詩集──二つの世界のさすらい人
15 「世界は不完全です。だから芸術があるのです」──ファジル・サイとの対話II
16 黒い大地[カラ・トプラク]──芸術家、この孤独な生き物

我らの時代の申し子──ファジル・サイに寄せて   文=アフメット・サイ
解説   林田直樹
訳者あとがき

【巻末】
人名索引/年譜/ディスコグラフィー/作品リスト/原注/訳注/謝辞