許光俊さんの『ファジル・サイ』評

ファジル・サイ

昨年末にアップされたHMV ONLINEの連載『許光俊の言いたい放題第213回「ラトルのカルメン」』冒頭で、『ファジル・サイ ピアニスト・作曲家・世界市民』が取り上げられていました。
当局との軋轢やさまざまな波乱、危険と闘いに満ちたファジルの人生が、美を求める芸術家の問題として受けとめられています。
本の出来については、
「おもしろかった。著者が特にすぐれているとは思われないし、むしろ凡庸な感性の持ち主と想像される。つまらぬ饒舌も見受けられる。それでもなお、読んで得られるものは多い。翻訳が流麗で、注が親切なのもよい。」
とのこと。これが初の訳書となる翻訳の畑野さんにはとてもがんばってもらったので(現在はベルリンに留学中)、うれしいです。どうもありがとうございました。[鈴木]