スピード・バイブス・パンチライン
ラップと漫才、勝つためのしゃべり論

定価:本体2000円[税別]送料:国内無料

  • 四六判・並製 | 224頁
  • 発売日 : 2024年7月26日予定
  • ISBN 978-4-86559-296-2 C0076
  • ジャンル : ラップ/漫才/サブカルチャー
  • 装丁:柴田ユウスケ(soda design) 編集:小林翔

人の心を動かすしゃべりはいかに可能か?
勝つために発明され、進化する語りに迫る
21世紀の「しゃべり論」が登場!

現代において人の心を動かすしゃべりはいかに可能か?
YouTube、TikTok、ネットニュース、あらゆる語りが氾濫し、
バズらなければ言葉が届かない時代。
それに適応し、素早くドラマチックに空気を掴む「しゃべり」を磨き、
時代を代表するエンタメとして君臨するのが漫才とラップである。

その口語(しゃべり言葉)芸術の最前線を、
スピード」「バイブス」「パンチライン」の3つの視点を軸に分析。
賞レースとラップゲーム。
勝つために発明され、進化する語りに迫る21世紀の「しゃべり論」が登場!

ヨネダ2000TaiTan(Dos Monos)のインタビューも収録。

●分析の対象としたラッパーと漫才
・スピード
キングコング───SEEDA
和牛───OZROSAURUS
スリムクラブ───Gotch
・バイブス
ヨネダ2000───ゆるふわギャング
ミルクボーイ───NORIKIYO
ウエストランド───ちゃんみな
ハイツ友の会───dodo
ナイツ───あるぱちかぶと
・パンチライン
タイムマシーン3号───ZORN
霜降り明星───Watson
ジャルジャル───Tohji

プロフィール

  • つやちゃん TSUYA-CHAN
    文筆家。ヒップホップやラップミュージックを中心とした音楽、カルチャー領域にて執筆。「ele-king」「ユリイカ」「文藝」などの雑誌ほかメディアに寄稿。ラッパーをはじめ、宇多田ヒカルなど幅広いアーティストへのインタビューも行う。著書に『わたしはラップをやることに決めた フィメールラッパー批評原論』(2022)、監修書に『オルタナティヴR&Bディスクガイド』(2024、ともにDU BOOKS)がある。

CONTENTS

第1部 スピード・バイブス・パンチライン
序章 勝つためのしゃべりの時代に

第1章 スピード
加速する言葉、ハートの行方 キングコング───SEEDA
間に宿るメッセージ 和牛───OZROSAURUS
沈黙は豊穣なり スリムクラブ───Gotch

第2章 バイブス
システムをズラす快楽 ヨネダ2000───ゆるふわギャング
ループの遠心力 ミルクボーイ───NORIKIYO
憑りつかれたように語れ ウエストランド───ちゃんみな
「恵まれざるもの」たちの声 ハイツ友の会───dodo
日常の語り、揺らぐ世界 ナイツ───あるぱちかぶと

第3章 パンチライン
押韻は死ぬまで止まぬ タイムマシーン3号───ZORN
モジュール化するパンチライン 霜降り明星───Watson
意味からの逃走 ジャルジャル───Tohji

第4章 インタビュー
ヨネダ2000 すべては「どすこい」の繰り返しからはじまった
TaiTan 嘘はバレる。それだけ

インタールード

第2部 上昇するためのしゃべり──ラップされるファッション
序文 素早く、豊かに語るためのケーススタディ
破擦音は本能を呼び覚ます KOHH──ヴェルサーチェ
言い換えの多層性 Elle Teresa──シャネル
模倣品までも書きつくす Valknee──バレンシアガ
語り手の立つ場所 Watson──Air Force1

あとがき