「1000人に1人のリリシスト」と讃えられながら、
インタビューも録音も拒んで引退したピアニスト。
親友たち20人の証言・寄稿により、その素顔が明らかになる。
本人公認の唯一の書籍が誕生!
「音楽について聞かれても、何か語れるとしたら、自分の音楽を通してだけだ」
ルーマニアの生んだ至高のピアニスト、ラドゥ・ルプー。
「1000人に1人のリリシスト」と讃えられながら、いっさいのインタビューを拒み、1993年を最後に録音もやめてしまい、2018〜19年のシーズンを最後にコンサートからも引退。
伝説のピアニストとなったルプーの素顔を、彼を敬愛する20人の音楽家、関係者などの寄稿やインタビューで描きだす。
こんな「讃歌(Lobgesang)」はもうたくさんだと言わんばかりに、あなたは顔をしかめるにちがいありません。
──サー・アンドラーシュ・シフ
彼が演奏すると、まるでその瞬間に作曲されたような音楽に聞こえます。
音楽におけるあらゆるつながりに命を吹きこむことができる
きわめてユニークな才能を持っています。
──ダニエル・バレンボイム
天にものぼる心地でした。
自分が演奏している背後で、あのサウンドが鳴っている!
この体験を永遠に心のなかで愛でたいと思いました。
──スティーヴン・イッサーリス
サー・アンドラーシュ・シフ、ダニエル・バレンボイム、ミッシャ・マイスキー、フランツ・ウェルザー゠メスト、スティーヴン・イッサーリス、アンヌ・ケフェレック、ユリアンナ・アヴデーエワ、チョ・ソンジン、フィリップ・カサール、ジャン゠エフラム・バヴゼ、ネルソン&ルスダン・ゲルナー、元マネージャー、ディレクター、調律師、元夫人などが登場。
音楽評論家・青澤隆明による珠玉のルプー論も収録。
口絵にはルプー夫妻提供の貴重な写真を掲載!
本書を企画し、編者をつとめたのは、長年ルプーの担当マネージャーとして来日公演をアシストし、海外での公演にも通いつめた音楽マネージャー。
その熱意と、ルプーからの信頼によって実現した、日本オリジナル企画にして、本人公認の唯一の書籍です!
ためし読みもできます! こちらからどうぞ▼
https://hanmoto9.tameshiyo.me/9784865592450
本書の内容と連動したプレイリストはこちら▼
Spotify
https://open.spotify.com/playlist/7jeC93zM9AmQdtrYzrL8Zq?si=21124c26664b47a0
Apple Music
https://music.apple.com/jp/playlist/%E3%83%A9%E3%83%89%E3%82%A5-%E3%83%AB%E3%83%97%E3%83%BC%E3%81%AF%E8%AA%9E%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84/pl.u-2aoqlLYCVJRWd9
プロフィール
板垣千佳子(いたがき・ちかこ)
お茶の水女子大学卒業。
1988年より株式会社KAJIMOTO(旧称:梶本音楽事務所)に勤務し、国内外アーティストのマネージャーやラ・フォル・ジュルネ音楽祭の制作室長を務める。
2019年に退社後、合同会社ノヴェレッテを設立した。
https://www.novellette-arts.com/
青山学院大学 総合文化政策学部 非常勤講師。
CONTENTS
写真でたどるラドゥ・ルプー
はじめに(板垣千佳子)
part I 20のインタビューと寄稿によるラドゥ・ルプーの物語
寄稿|サー・アンドラーシュ・シフ|ピアニスト
ルプーに捧ぐ
Hommage à Lupu
インタビュー|ミッシャ・マイスキー|チェロ奏者
ラドゥとの出会いはとても重要で、
音楽づくりは私にとって特別な時間でした。
寄稿|ボリス・ペトルシャンスキー|ピアニスト
モスクワでのルプーとの思い出は
私の記憶に深く焼きついています。
寄稿|アンヌ・ケフェレック|ピアニスト
最初の音を聴いた瞬間に心に広がった
感動と賞賛を一生忘れないでしょう。
インタビュー|チョン・キョンファ|ヴァイオリニスト
ラドゥの音楽の魔法の力によって
聴き手の魂は天空へと放たれます。
インタビュー|ディディエ・ド・コッティニー|オーケストラ事務局長
友人として、録音嫌いのラドゥをもう困らせたくないのです。
インタビュー|ジェシカ・ナスミス&ロビン・ラフ|マネージャー、BBCディレクター
インタビューを受けない理由──
「何か語れるとしたら音楽を通してだけだ」
インタビュー|ガスリー・リューク|ピアニスト
数多く聴いたラドゥの“歌”。
衝撃のあまりピアノの前に座れなくなったことも。
寄稿|ジェニー・フォーゲル|マネージャー
あわやキャンセル、
ニューヨークの凍える夜の散歩
インタビュー|ヘレン・ターナー|マネージャー
誇り高き完璧主義者。
でも、マネージャーを困らせる人ではありませんでした。
インタビュー|ダニエル・バレンボイム|指揮者、ピアニスト
ラドゥとは音楽を通してお互いを知り尽くしているので、
特別な親近感を感じます。
インタビュー|フランツ・ウェルザー=メスト|指揮者
ラドゥと共有した「美しさの追求」。
私たちは音楽的に理解しあっていました。
寄稿|フィリップ・カサール|ピアニスト
ラドゥ・ルプーが小声で明かしてくれる
内なる世界の景色。
インタビュー|ジャン゠エフラム・バヴゼ|ピアニスト
人生に迷う私にラドゥが教えてくれた音楽づくりの哲学。
インタビュー|ミシェル・ブランディス|調律師
それはピアノの音ではなく、「ラドゥ・ルプーの音」なのです。
インタビュー|ネルソン&ルスダン・ゲルナー|ピアニスト
魅力と発見にあふれたアドバイス。
彼の言葉はすべて私の心に刻まれています。
インタビュー|ユリアンナ・アヴデーエワ|ピアニスト
ラドゥのロシア語はとても豊かです。
聞き上手で、いつも何かを与えてくれる人です。
インタビュー|チョ・ソンジン|ピアニスト
「教えない、聴くだけだよ」
ラドゥのローザンヌでのレッスンで──
寄稿|スティーヴン・イッサーリス|チェロ奏者
ラドゥ・ルプーとの旅の軌跡
寄稿|エリザベス・ウィルソン|作家
ラドゥ・ルプー
──モスクワでの学生時代の思い出をたどって。
part II ルプーのほうへ(青澤隆明)
ルプーの音楽はどこからやってきたのか
物語の終わりに(板垣千佳子)
ラドゥ・ルプー 年譜
ラドゥ・ルプー 日本公演の記録
ラドゥ・ルプー ディスコグラフィー