相倉久人にきく昭和歌謡史

2,000円 [税別]

  • 四六判・並製 | 320頁
  • 発売日 : 2016年9月10日
  • ISBN 978-4-86559-146-0 C0073
  • ジャンル : 歌謡曲/J-POP
  • 装丁:nu

卓抜なジャズ評論で時代を画した著者が
最後に語りおろした日本ポップス文化論!

昨年7月、自選評論集『されどスウィング』刊行と同時に惜しくも世を去った音楽評論の大家・相倉久人の没後初となる著作。

エノケン、美空ひばり、服部良一、坂本九、クレージーキャッツ、軍歌、百恵・聖子・明菜・奈保子、ユーミン、大瀧詠一、シャ乱Q⋯⋯
戦前・戦中のヒット曲・軍歌から、戦後のアイドル、ニューミュージックまで全10回、流行歌を通して昭和を見る!

本書は2012〜14年に行った連続対談を再構成・書籍化したものです。

「芸能ってのはお客さんに喜んでもらえなきゃしょうがない。でも、たどり着く頂点はアートと同じですよ」──相倉久人

プロフィール

  • 相倉久人(あいくら・ひさと)
    1931年、東京都生まれ。東京大学文学部美学美術史学科中退。学生時代にジャズに傾倒し、評論を手がけるかたわら、新宿ピットインで司会を務めるなど、ジャズの現場に深く関わった。70年代以降は活動の場をロックやポップスにも広げ、現在に至る。主な著書に『至高の日本ジャズ全史』(集英社新書)、『新書で入門ジャズの歴史』(新潮新書)、『相倉久人のジャズ史夜話』(アルテスパブリッシング)、『されどスウィング』(青土社)のほか、『モダン・ジャズ鑑賞』『現代ジャズの視点』『ジャズからの挨拶』『ジャズからの出発』『相倉久人の“ジャズは死んだか”』『機械じかけの玉手箱』『ロック時代──ゆれる標的』などがある。2015年没。

  • まつむら・ひろし
    1952年大阪生まれ。音楽評論家。とくに沖縄の音楽文化、タイを中心とした東南アジアのポピュラー音楽文化、流行歌を通した日本近現代史の考察に力を注ぐ。映画評、書評なども多数執筆。主な著著に『日本鉄道歌謡史(1・2)』(みすず書房)、『唄に聴く沖縄』(白水社)、『アジアうた街道』(新書館)ほか、共著に細川周平編著『民謡からみた世界音楽』(ミネルヴァ書房)、井上貴子編著『アジアのポピュラー音楽』(勁草書房)などがある。

CONTENTS

はじめに    中安亜都子

第1回 榎本健一(エノケン)を聴き直す
海の向こうの歌を日本化する/エノケンのリズム感/舞台で生まれる歌/ポップスの崩壊/ダイナ繚乱/楽器を勝手に弾く/観客に投げ返す/

第2回 服部良一を聴き直す
上海と旧満洲/ジャズ・コーラスとブルース/日本のジャズ/エキゾチックな南と北/ブギウギとアメリカ文化の流入/古い上着よさようなら/

第3回 戦時歌謡を聴き直す(1)
陸軍幼年学校/金甌無欠揺るぎなき/出征兵士/流行歌の検閲/戦地では/国策と歌/紀元二六〇〇年/追い詰められて/忘れ去られる歴史

第4回 戦時歌謡を聴き直す(2)
戦時下の日常生活/身につかない音楽/雑居文化/戦時の平等幻想/戦時下の少国民/決定的な音色

第5回 美空ひばりを聴き直す
歌が巧いということ/ジャズ感覚のリズム感/川田晴久と美空ひばり/母と娘/作品を完璧に仕上げる/境界が崩れる

第6回 坂本九を聴き直す
訳詞家・相倉久人/日劇ウェスタンカーニバル/「上を向いて歩こう」/つなぐ人/本質と例外/テレビと九ちゃん/大切な歌

第7回 ハナ肇とクレイジー・キャッツを聴き直す
ジャズ系のユーモア/クレージーキャッツへの道/テレビと映画とクレージー/強烈な個性と仲の良さ/クレージーキャッツの時代/巨人・大鵬・卵焼きの時代

第8回 アイドル歌謡を聴き直す
準優勝の人/山口百恵の急成長/マーケットの拡大とミクスチャー/百恵と聖子/変わる明菜、変わらない聖子/無意識過剰の奈保子/アイドル三角形

第9回 ニューミュージックを聴き直す
東京系都会派音楽/日本語と外来音楽の日本化/勘違いされたフォーク/有無を言わせないすごさ/日本語で歌うということ/身体感覚と音色/忌野清志郎という到達点/西洋コンプレックスと近代主義の崩壊

第10回 平成の〝昭和歌謡〟を考える
グループとアレンジャー/洋楽のふりをする/〝昭和〟を使って/大きな歌謡曲界の崩壊/音楽が伝わるということ/多面的な自己と歴史認識の消滅

あとがき     松村洋…………