幸四郎と観る歌舞伎

2,200円 [税別]

  • A5判・並製 | 272頁+カラー口絵4頁
  • 発売日 : 2012年6月25日
  • ISBN 978-4-903951-54-6 C1073
  • ジャンル : 歌舞伎/古典芸能
  • 装丁:荒田ゆり子

「歌舞伎を愛する女性によって書かれた本物の歌舞伎の本です」
───松本幸四郎

1000回勤めた弁慶をはじめ、由良助、大判事、熊谷、俊寛、松王丸、道玄……
幸四郎が舞台の上で感じていることとは──
28の名作を詳しく解説し、とっておきの楽しみ方を伝授します!

松本幸四郎丈自らが語る歌舞伎への想い、台本や役柄についての芸談を随所に挟みながら、
28の名作のあらすじと魅力、その時代背景や能・文楽・落語といった他の芸能とのかかわりなどを詳しく解説。
初心者にもリピーターにもおすすめの鑑賞ガイドの決定版です!

●本書で取り上げた作品
仮名手本忠臣蔵
元禄忠臣蔵
堀部弥兵衛
清水一角
松浦の太鼓
寿曾我対面
助六由縁江戸桜
義経千本桜
勧進帳
一谷嫩軍記
平家女護島
梶原平三誉石切
妹背山婦女庭訓
菅原伝授手習鑑
伽羅先代萩
曾根崎心中
廓文章
恋飛脚大和往来
女殺油地獄
東海道四谷怪談
桜姫東文章
三人吉左廓初買
青砥稿花紅彩画
天衣紛上野初花
盲長屋梅加賀鳶
松迺寿操三番叟
積恋雪関扉
京鹿子娘道成寺

プロフィール

  • 小野幸惠(おの・さちえ)
    1954年東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経てフリー編集者となり、伝統芸能を中心に舞台芸術にかんする書籍やインタビューの企画・構成にたずさわる。著書に『日本の伝統芸能はおもしろい(全5巻)』『市川染五郎と読む 歌舞伎になった義経物語』(以上、岩崎書店)、『狂言にアクセス』『落語にアクセス』(以上、淡交社)など。企画書籍に松本幸四郎『弁慶のカーテンコール』(光文社知恵の森文庫)、春風亭小朝ほか『六顔萬笑』、林家正蔵『九代正蔵襲名』(以上、近代映画社)など。

  • 松本幸四郎(まつもと・こうしろう)
    歌舞伎俳優。1942年、八代目松本幸四郎(初代白鸚)の長男として東京に生まれる。3歳で初舞台。1981年九代目松本幸四郎を襲名。歌舞伎、ミュージカル、現代劇、シェイクスピア劇と、幅広いジャンルで活躍。『勧進帳』弁慶役で1000回、全国47都道府県上演達成。ブロードウェイで『ラ・マンチャの男』、ウェストエンドで『王様と私』を主演。『ラ・マンチャの男』では出演1100回を記録している。現代劇集団「シアター・ナインス」、歌舞伎集団「梨苑座」を主宰。芸術院賞、紫綬褒章をはじめ受賞多数。日本芸術院会員。早稲田大学校友。著書に『弁慶のカーテンコール』(光文社知恵の森文庫)、『父と娘の往復書簡』(文藝春秋)、『幸四郎的奇跡のはなし』(東京新聞出版局)などがある。

CONTENTS

◎目次
「幸四郎の歌舞伎」とは(松本幸四郎)

第一章 それぞれの「忠臣蔵」
1 「忠臣蔵」のルーツは『仮名手本忠臣蔵』
2 心理劇『元禄忠臣蔵』
3 講談・実録から生まれた「忠臣蔵」

第二章 仇討ちといえば曾我物
1 新春を寿ぐ「寿曾我対面」
2 江戸吉原の華麗に酔う『助六由縁江戸桜』

第三章 源平合戦と義経物語
1 『義経千本桜』は義経を取り巻く人々の物語
2 義経物のクライマックス『勧進帳』
3 武将の悲哀『一谷嫩軍記』
4 近松が描く俊寛『平家女護島』
5 梶原景時の真価を問う『梶原平三誉石切』

第四章 壮大な歴史物語とその周辺
1 悲恋物語のオムニバス『妹背山婦女庭訓』
2 天神伝説に秘められた兄弟物語『菅原伝授手習鑑』
3 実録御家騒動『伽羅先代萩』

第五章 近松が描くニュースな事件簿
1 『曾根崎心中』という事件と浄瑠璃
2 傾城買の真骨頂『廓文章』
3 恋と公金横領の図式『恋飛脚大和往来』
4 不良青年の人妻殺し『女殺油地獄』

第六章 江戸・化政期に咲き乱れる南北の華
1 究極の不条理劇『東海道四谷怪談』
2 カルマの美学『桜姫東文章』

第七章 幕末の江戸を彩った黙阿弥
1 振袖の娘が盗賊にぶっかえる『三人吉左廓初買』
2 怪盗勢揃いの圧巻『青砥草紙花彩画』
3 江戸?客の意気地『極付幡随長兵衛』
4 お数寄屋坊主・河内山の痛快『天衣紛上野初花』
5 『魚屋宗五郎』と「皿屋敷」の物語
6 火事と喧嘩は江戸の華『盲長屋梅加賀鳶』

第八章 歌舞伎の舞踊
1 人形振りの『松迺寿操三番叟』
2 ドラマティックな変身劇『積恋雪関扉』
3 恋する乙女心『京鹿子娘道成寺』
4 黙阿弥の舞踊劇

著者あとがき

◎幸四郎に聞く
1 由良助と内蔵助
2 幸四郎の弁慶三代
3 熊谷に見る妻への思い
4 俊寛が船底で考える時間
5 男だからこその悲しみ、その表現
6 身代わり劇の役割
7 幸四郎がこだわる原本
8 六代目の写真
9 幸四郎の歌舞伎とは
10 染五郎の踊り

◎歌舞伎こぼれ話
1 出雲阿国はバロック・オペラを見たか?
2 文楽に学ぶ??吉田玉男へのオマージュ
3 赤穂浪士の七味唐辛子
4 遠山の金さんは芝居小屋の囃子方だった?
5 吉原考
6 幕の内弁当の魅力
7 フォービアン・バワーズのこと
8 幕のこと
9 三輪山にまつわる婚姻伝説
10 天神様への憧憬
11 稽古屋の浄瑠璃
12 落語から生まれた歌舞伎
13 浅草猿若町界隈
14 江戸の粋??鳶と木遣の関係
15 江戸の芝居小屋・金丸座の春